□ 7-8 □
【あるかねもちうけのいちにち】
あさおきるけど、ていけつあつなのでしんどい
↓
しようにんをよんでもーにんぐこーひー
↓
ゆったりとじかようしゃでとうこう
↓
とちゅうでせめをみつけ、くるまをおりる
↓
さりげなさをよそおい、いっしょにとうこう
↓
れいはいをさぼって、ほけんしつにせめをつれこむ
↓
せめはへたれなので、しょうがなくさそいうけ
↓
ほけんしつのせんせい（びけいめがねおとこ）にみつかり、
さんにんでたのしむ
↓
ちゃいむがなり、おたのしみやめて、しかたなくきょうしつへ
↓
ゆうがにひるね
↓
つかれたのでそうたいしますね
↓
しんぱいそうなせめにおぶわれながらじたくのやしきにかえる
□ 28 □
【あるせいとかいちょうのいちにち】
さいきんうけのことがきになってしょうがない
↓
あいつなんかあたまもわるいし うんどうもできないし せもひくいし どうていだし
↓
そのてんおれは せいせきはがくねんとっぷでせいとかいちょう
たいいくはいつも5 せもへいきんいじょう
あんなやつ ひかくにすらならないっていうのに
↓
でもいっしょうけんめい がんばってるところとか
いっつもえがおなところとか だまされやすいところとか いいところも
↓
なにかんがえてるんだ！とりあえずぜっきょうして しこうちゅうだん
↓
さいきんみょうにつかれてる せいとかいちょうのいちにち
□ 46 □
【あるくらすめいとせめのいちにち】
きたくぶのくらすめいとせめ ほうかごのきょうしつでぼんやり
くらすめいとうけのぶかつがおわるのをまつ
↓
まどのそと こうていをはしるくらすめいとうけに うしろからきいろいこえ
ちぇ あいつ おとこのおれからみてもかっこいーし かわいーしな
くらすめいとせめ おもわずしっと でもちょっぴりほこらしげ
↓
「まだかえらないのかい くらすめいとせめくん」
じゅけんせいには むだにできるじかんなどないのだよ と いやみないいんちょう
うるせえあっちいけ
↓
ふたたびまどのそとをみる くらすめいとうけが おんなのこに
なんかぷれぜんとわたされてこまってる
ばか そんなもんうけとるな いいんちょうがよけいなこといってるまに おれぴんち
↓
くらすめいとうけが３かいのおれにきづいた
あわてておんなのこにあやまって こっちにてをふる
↓
まどのしたにみをかくす ばかばか くらすめいとうけなんかもうしらねえ
↓
「どうしたんだよ」 くらすめいとうけ いきをきらせてきょうしつにもどってきた
ちくしょう やっぱりだいすき
↓
なんでもねえよ らーめんくいにいこうぜ おごってやる
くらすめいとうけ やったーとおおよろこび ちょーかわいい おれおもわずだきしめる
↓
おこられたけど ふたりでらーめんくいにいく うまい
↓
あとなんかげついっしょにいられるかな
むだにできるじかんなどないとおもう じゅけんせいくらすめいとせめのあるほうかご
------------------------------------------------------------------
□ 52 □
【あるいいんちょうのゆうぐれ】
きょうしつにのーとわすれた
のーとないとべんきょうできない しぶしぶとりにかえる
↓
あ くらすめいとせめだ らっきー はなしかけるちゃんす
↓
「まだかえらないのかい くらすめいとせめくん
じゅけんせいには むだにできるじかんはないのだよ」
ばかばか ぼくのばか なんでこんなことはなしてるんだ
↓
くらすめいとせめ おこってる
あっちいけっていわれた
ないしんしょんぼり でもきょせいをはってみる
↓
くらすめいとせめは なにをみているんだろう
ちょっとのぞきこんでみる
↓
こうていで くらすめいとうけが はしってる
やっぱり ああいう すぽーつまんで かっこよくて
かわいいひとが いいんだろうな
ちょっと はなのおくがつんとした
↓
なみだがこぼれないように うえをむいてあるく
さえない べんきょうしかできない いいんちょうのゆうぐれ
□ 48 □
【あるせんせいせめのきんようび】
あさ がっこうにいく みなさんおはようございます
↓
じぶんのたんとうはすうがく ろくじかんめはせいとうけのくらすですうがくびーだ
きょうはきんようび がっこうがおわったらあうやくそくがある
でもやっぱり せいとうけをいつもみていたいとおもう がまんしているせんせいせめ
↓
じゅぎょうちゅう なぜかせいとうけはずっとしたをむいている
いつもはかおをあげてまじめにきいているからおかしい つぎはせいとうけをしめいしよう
「せいとうけ といいちをといてください」 にかいいってもへんじがない おかしい
しんぱいしてせいとうけのせきにちかづいてこえをかけると やっとせいとうけ きがついた
↓
もやもやとはれないこころをかかえて すうがくじゅんびしつでらいしゅうのよういをするおれ
せいとのあかるいこえがきこえる あしたからさんれんきゅうだ
でも せいとうけきげんがよくなさそう もしかしたらあうやくそくもだめになるかもしれない
↓
とつぜんのっくもしないでせいとうけがきた しんぱいして「どうした？」ときいてみる
すると「もう ずっといえにかえりたくない」といいだした やっぱりしんぱいだ
↓
はなしをきくと ぎりのおかあさんとおりあいがわるいといいだした
かぎのかかっていない いつだれがくるかわからないじゅんびしつ
だけどおれは せいとうけをなぐさめたくってきすをした
↓
せっかくのさんれんきゅうはひとりですごすことになりそうだ
けれど やっぱりおれは だれよりもせいとうけがだいじだから
↓
せいとうけ はやくおかあさんとなかなおりしろよ げんきだせ
あうやくそくは らいしゅうだ そうくちにした
はやく せいとうけがこうこうをそつぎょうしないかな とおもう せんせいせめのきんようび
□ 55 □
【あるそううけのいちにち】
きょうもまんいんでんしゃでとうこう なんだかおしりをさわられてるきがする
↓
まさかちかんかな ふりょうせめくんたすけて
↓
けっきょくでんしゃをおりるまでおしりさわられまくりだったくすんくすん
↓
がっこうにむかってあるいていたらせいとかいちょうせめにあう
↓
きょうもかわいいねなんていわれてぼくまっかっか
↓
そこにすぽーつまんせめがわってはいってきた
↓
ふたりがにらみあってけんあくなむーどに
↓
こまっていたらだれかがぼくのくびねっこをつかんでひっぱった
↓
あっふりょうせめくんおはようねえどこいくの
↓
ふりょうせめにずるずるようぐしつにひきずられていくそううけのあさ
□ 113-114 □
【あるふりょうせめのいちにち】
きょうも けんかうってきたやんきーを よんにんまとめてぶちのめした。
ほねのねーやつら。ひまつぶしにもなんねえ。
↓
「わあ、すげえ、これぜんぶ あんたがたおしちゃったの？」
↓
あ…うけのやろうだ
↓
「すげぇなぁ〜。あんた やっぱりかっこいいよ」
↓
にこっとわらう うけ。
どうも こいつには ちょうしがくるう。
↓
「うるせぇ。あっちいけ」
↓
「かっけーよなぁ ほんと。
さすが おれがあこがれるだけのことあるよ」
↓
きいちゃいねぇ…
しかもなんだ そのびみょうなほめかたは
↓
「うるせぇって。つうか、ついてくんなよ てめぇ。
おれといたって ろくなことねぇぞ」
↓
「そんなことないよ！」
↓
とつぜん まじめなかおしやがるうけ
↓
「おれは あんたが いればいい
あんたのそばに いたいだけだよ」
↓
あんたがすきだからさ、そういって ほほえむうけ。
↓
こいつ すきとか ちゃんといみわかっていってんのかよ
↓
「…ばかじゃねーの」
↓
そっぽをむいて あるきだすおれ
↓
うしろから あいつがとことこ ついてくる
↓
きっとあいつは にこにこしながら
いぬみたいにしっぽふって しあわせそうなかお してるにきまってる
↓
ついてくるあいつに いつもなぜか あんしんする。
きょうはそのうえ なんだかしあわせなきぶん。
↓
…もう かなり じゅうしょうなおれ。
そんなふりょうせめの ちょっとしあわせな あるいちにち。
□ 194-196 □
【ある こうはいうけの いちにち】
あたらしいあさがきた きぼうのあさだ と たいそうをする
きょうもいいあさだ きょうもせんぱいせめさんにあえるとおもうと しあわせなきぶんだ
↓
がっこうへいく いいてんきだ きょうもいいことありそう
↓
じゅぎょうちゅうはねてる いっかいおこられたけどきにしない
それよりはやくせんぱいせめさんにあいたい
ほうかごがすきだ ぶかつがすきだ せんぱいせめさんといっしょにたたかうのがすきだ
はやくほうかごになれ
↓
ほうかご すぐにきがえて にもつをまとめてグラウンドへ
わくわくしながら せんぱいせめさんがくるのをまつ
↓
ぶかつがはじまるじかんになる せんぱいせめさんはこない
キャプテンにきく せんぱいせめさんとおなじクラスだから
せんぱいせめさんは ようじがあってやすみらしい
がっかり
↓
ぶかつはじまる きあいがはいらない ぼんやり
↓
あ ゴールされた
↓
キャプテンに しっかりしろといわれた
いつもならミスしたら せんぱいせめさんにおこられるのに
おこられるなら せんぱいせめさんからがいいのに
あほとか ばかとか がきとか ちょうしにのりすぎだとか
でかいずうたいでおちこむなうっとおしいとか いわれたい こえがききたい
さみしい
↓
あ ファールした
↓
そんなにミスばっかりして せんぱいせめさんがいたらなぐられてるぞと ともだちがいった
さみしいより なぐられるほうがいい おこってほしいな
さみしい
↓
ぶかつがおわった のろのろときがえる
あいつもあしたにはでてくるから とキャプテンがいった
キャプテンはやさしくておにいさんみたいですきだ
↓
とおまわりして せんぱいせめさんのいえへいってみる ゆうひがしずんでく
↓
せんぱいせめさんのいえ でんきはついてない
せんぱいせめさんいるかな それともでかけてるのかな かんがえてたらこえをかけられた
↓
こうはいうけ なにしてんだおまえ ひとんちのまえで
↓
ふりむく いた
せんぱいせめさんだ あえた あえた うれしい
↓
なににこにこしてんだばか それよりいえにはいれなくてじゃまだ さっさとどけ
↓
せんぱいせめさんのこえだ うれしい
どかなかったので ひとのはなしをきけとなぐられた うれしい
どうしてもえがおになる
せんぱいせめさんあきれて あほ といってわらった しあわせ
↓
せんぱいせめさんは じゃあな またあした といっていえへはいる
はい！ またあした！ とおおきなこえでいった
せんぱいせめさんは きんじょめいわくだろうが ばか といってドアをしめた
きょうはいいひだ はれたそらにほしがたくさん
↓
きょうも いいことありました
あしたも いいことありますように
ほしぞらをみてそんなふうにねがう あるこうはいうけのいちにち
□ 222 □
【あるこうこうせいのいちにち】
あさ ひとりでとうこう
きょうは あいつはやすみ
なんか すかすかな きぶん
かぜなんかで やすんでんじゃねーよ ばか
↓
さんじかんめ あいつきた
かおあかい むりしてんのみえみえ
ばか ちょうばか いえでねてろっつーの
↓
きょうはぶかつずるやすみして
あいつとちゃりで にけつ
↓
からだあついっつーの ひっついてんじゃねーよ
おまえやさしいね なんて わらってんじゃねーよ
もうおまえほんとばか いみわかんねー
あしたはかぜでやすむ あるこうこうせいのしあわせなゆうぐれ
□ 231-232 □
【ある どんかんうけに こいしている てんねんせめの いちにち】
やすみじかん、こんびにで かったばかりの すいようぺんで らくがき
おれ えをかくの だいすき
↓
あ、どんかんうけだ。おれのぺんを じぃっと みてる
なに？ かきたいの？
うれしそうにうなずいて おれのとなりに すわる
↓
えを かくのに むちゅうになっていたら
きゅうにひだりてが あったかいかんしょく
↓
「ここにかいてもいい？」
どんかんうけ、きらきらしためでおれをみる
そんなかおされたら ことわれるわけない
↓
どんかんうけが おれのてに らくがきしおえるまで
くすぐったいのがまんして どんかんうけのよこがおをみてた
↓
『どんかんうけさんじょう！』
あいかわらず へたくそな じ。でもうれしい。
↓
おかえしに どんかんうけのてくびに うでどけいを かきかき
うん、りきさく
↓
「なんでとけい？」
ふしぎそうな どんかんうけに
「おれが おまえのじかんを もらったっていみだよ」
っていったら わらわれた。まじなのに。
↓
かえりがけに どんかんうけの てくびをみたら
にじんで とけいが きえていた
↓
ゆせいぺんで かけばよかったなぁ
こんどは ゆせいぺんで かいてやる
↓
どんかんうけに こいしてしまった てんねんせめのいちにち
□ 260 □
【ある しゃしんぶの いちにち】
あさは はやおき 10びょうでしたくして かめらさげて こうていへ
↓
あされんちゅう りくじょうぶのあいつ ふぁいんだーごしながめる ねぼけづらのおれ
↓
あいつがおれをみつけた しゃしんすきなんだなあ わらってる
↓
たいかいがんばれよ おれはさけぶ あいつはまだわらってる
↓
おれは おまえをとりたいだけ これ ほんとうのはなし ひとりでこっそりつぶやく
↓
まっすぐはしるあいつ まぶしすぎて なみだがでる ふぁいんだーくもる
↓
ちゃいむのおと あいつはぶんぶんてをふってる わらいかえしたつもり うまくわらえたかなあ？
↓
あいつがてーぷをきるの ゆめにみながら たいくつなじゅぎょうにむかう あるしゃしんぶのいちにち
------------------------------------------------------------------
□ 420 □
【ある りくじょうぶのいちにち】
きょうはたいかい ぶいんのみんな せんせい いちだんとぴりぴりしてる
↓
れんしゅうおえて かいかいしきへ
きゃくせききょろきょろ あれれ しゃしんぶのあいつがいないぞ
きょろきょろするなと せんせいにおこられて あわててきをつけ
↓
おれのはしるばん まだあいつはきていない
けが？ びょうき？ なんだかふあん
おっと いちにつかなきゃ
↓
たいむ さんざん なんとかけっしょう みんながしんぱいしてる
もちべーしょんだいじなのに どうしよう どうしよう
ああもうじかんだ おれ なきそ
↓
いちにつく おれはめをぎゅっとしてしゅうちゅうする
そのとき きこえたんだ
「がんばれ」
↓
からだがかるい かたにやわらかいかぜをかんじながら
おれはてーぷをきった
↓
おもわずきゃくせきのあいつのとこ かけてった
うまいこととれた？ しゃしんいちばんにみせてくれよ
↓
めだるをかけてぴーす おめでとうおめでとう あいつがないてる
おもわずだきついたら ひゃあっとへんなこえをあげた おもしろいやつ
↓
こうちょうの ひょうしょうじょうより あいつのしゃしんがたのしみ
すっかりごきげんでかえりのばすにのりこむ あるりくじょうぶのいちにち
□ 288-289 □
【あるせいとかいちょうの さいごのいちにち】
せいとかいちょうなんてさいしょからやるつもりはなかったのに
なんだかんだとのせられて にきもつづけてやるはめになった
きょうはやっとそつぎょうしき とうじをよめば おれのしごとはおわり
↓
ざいこうせいからのそうじをよむのは こんどかいちょうになる おれのこうはい
せいとかいでは しょきだったけれども まじめでじんぼうがあったから
すいせんした ゆうぼうなやつ のりがかるすぎるのが たまにきず
きょうも へらへらわらっているかとおもったら しんみょうなかお
↓
いいぶんしょうかんがえたじゃないか そつぎょうせいから すすりなき きこえる
いいこえで ろうろうと よみあげるあいつは すごくかっこうよくて
なんだか あいつじゃないみたいだなあと ぼんやりみてた
ずるいな いままでそんなかお おれにみせなかったくせに
↓
おまえならきっと いいせいとかいちょうになる おれがほしょうする
だけど ほしょうしなくたって すぐみんな おまえをすきになるんだろうな
いままでは おれがいちばんよくわかってたのに なんでか くやしいな
↓
こんどは おれのばんだ だんじょうにたって まいくをにぎる
ちょっとざわついてる さいぜんれつ なにげなくめをやる
↓
なんで おまえ いきなりないてるんだよ
まだなにもいってないのに さきになくなよ
いちばんまえのせきで みんなみてるのに なにしてんだよ
↓
どうせなら きいてからなけば かんどうしたとかいえるのに
はやすぎだよおまえ ばかだなあ
もらいなきでまわりもないてるし おれ たちばないじゃん
えんぜつでなかせるつもりだったのに
↓
おれは おまえみたいに かわいげはないから
ここでうっかりないたりしない
さいごまで かおあげて ほこらしくつげよう
ありがとうの きもちと わかれのことば
よくきけよ おまえにむかっていってやるから
↓
ほほえんで まいくにぎった かすかにふるえた ゆびさき
きょうがおれのそつぎょうしき おまえといっしょの さいごのひ
□ 354 □
【くらすいいんちょうがきにくわない そこうのわるいちゅうがくせいのいちにち】
じぶんが いちばんりこうだと おもってんだろ
つくえのまえに いつも きちんとすわって いねむりなんか したことない
はんこうてきなおれらを いつもえらそうにちゅういしやがって なにさまだっつーの
↓
いやみなやつで ぎんぶちめがねが にあってなくて
つんとすました いけすかないやつ いつもえらそうな ゆうとうせい
もうむかつくったら ありゃしねぇ
↓
みんな おまえのこと にがてだっていうぜ
つめたいたいどが こわいんだとよ
めがねをかけなおすしぐさも こわいんだとよ
ていうか おまえ
ただ だまって あいてのことみくだす そのくせやめろよ きらわれるぞ
↓
おれ しってるんだぜ
まいにち おまえ じゅくから だれもいないいえに ひとりでかえっていくだろ
えらそうな おまえのせなかが そのときはすこしだけ ちいさくみえたんだ
だまって かぎをあけて いえへはいっていくすがたが あんまりさびしそうだったから
けっとばしてやろうかとおもったんだ
↓
ずっと ゆうとうせいやってて つかれねぇか とからかったら
「うん つかれるよ でも ひとりくらい ゆうとうせいがいなきゃ よのなかまわらないだろ」
ったく まじに こたえんなよ でも あいつわらったな わらってたよな
とりあえず はじめてみた かれのえがおに すこしむねがたかなる そこうのわるいちゅうがくせいのひるやすみ
□ 383-386 □
【ある ちゅうがくせいのいちにち】
はちじにじゅうはっぷん あとさんじゅうびょうで あいつが とびこんでくる
さっかーぶはじゅうごふんまであされん おれたちがあがるとき
まだこーんやぼーるをあつめてる
↓
だだだだだ がらっ よっしゃいっぷんまえおうごんのあし！
おそいぞ さっかーぶのこもんのせんせいにいっとかなきゃな
おそくないっすよー ほれ せきついてこれとけ
あいうえおじゅんにかんしゃ ことしもいちがっきはおれのまえのせき
よ ちこくしてねえよな まあね まいにちこりないやつ
↓
いちじかんめ しゃかいか
あいつのしりょうしゅう もう いじんにひげやはなめがね
まだごがつにもなってないのに でもいつもさいしょにおれにひろう
ちょっとうれしい だけどこいつにはきょうかしょかさない
↓
にじかんめ こくご
きょうから はしれめろす ながい まずとおしよみ
あいつきょねん みやげを どさんってよんだよな
しんじられないばかだ でもきょうはよめてる つぎおれのばん
↓
さんじかんめ たいいく
まっとうんどう こいつやっぱのうみそぜんぶうんどうにいってる
おいみとけよ にっかりわらって あいつのばん
だだだだだ おいおいとうりつぜんてんだけだろ なんでろんだーと
あ ばくちゅうまでやってぴーすしてるよ ばかだ
↓
よじかんめ すうがく
れんりつほうていしき ほうていしきのふくしゅう
こくばんにおどる えっくすとわい
おれ ぷらす はらぐーぐーなってるあいつ いこーる めがはなせない
じゃあ あいつ ひく おれ は ？
↓
きゅうしょく
あいかわらずはやぐい かんでないだろ ぎゅうにゅうは５びょういない
おい たいくかん すてーじがわとっとくから みなにいっといて
ほふくぜんしん うしろのどあからでていくあいつ
そんなことしたってせんせいぜったいきづいてるぞ きゅうしょくほうそうおわり
ふたりぶんのとれいかたづけ すてーじがわね さけんでおれもはしりだす
はやいじゃん すこしのあいだ ふたりだけのたいくかん ぼーるのおと
↓
ごじかんめ りか りかしつにいどう
そうだね せいぶつは はらいっぱいでつかれてりゃ ねむくなる
いびきかくなよ しずかにねろよ しあわせそうなねがお
↓
ろくじかんめ えいご
うっじゅーらいくさむてあ？ てあってなんだよそれはてぃー
せなかつついて ゆびさしてやる You must study more.
↓
あとはそうじとがっかつでおわり
げほげほ こくばんけしはかざむきかんがえてたたけ ばか
あーあ おれのじゃーじもまっきっき わりーわりー はらいあう
ちょっとあんたたち やるならべらんだではらいなよね
はいごもっとも ごめんなさい せきにんとってふたりでぞうきんかけなおし
↓
じゃ、いじょう おう、だれとはいわんがあしたこそはちこくするなよ
ひっでー きょうだってしてないじゃん がっかつしゅうりょう
いつもはまっさきにとびだすあいつ のこってる なんで
ああそうか あしたはにっちょく まどしめなきゃね みなをおいだす
↓
じゃおれぶかついく こえかけたおれをひきとめる あ、まった
？ なんだよ あのさあいっしょうのおねがい なに
りかのぷりんとうつさせて よくおぼえてたじゃん すいみんがくしゅう
ばーか でもかさないいまうつせ けちくせー ふたりだけのきょうしつ
↓
まどのしたから じょてにのこえ せーのっ いーちにっさーんしー
あ、あのみぎからさんばんめかわいいな てーとめるなよ ばか
たいそうぎだからいちねんかな はやくうつせよ おまえはどのここのみ？
そうだなあのしょーとのこかな
どのこだよ じょてにしょーとおおいんだよ あ、あれかぼーるひろってる
だからあのこだって（いわないけど おまえからだけはみえないよ）
↓
さんきゅ うつしおわったあいつ にっちょくのなまえかきかえて
ぶしつとう さっかーぶはひだりにいくとはやい おれはみぎ
じゃあな、まじでちこくするなよ だからしてねって おうごんのあしではしりさる
↓
きょうしつにもどるおれ
なんとなく にっちょく あいつとぺあのじょしのなまえけして
おれのなまえかきこんでみたり これってあいあいがさ？ ばかかも おれも
あいつばかだし われながら かおはおれのほうがおとこまえ
なのに ちょっと かわいい とか ときどき おもったり して
こくばんなおしておれもはしりだす
あしたもきっとはちじにじゅうはっぷん
□ 392-393 □
【ある こうそくいはんせめ（よてい）のいちにち】
きょうはきゅうじつ てんきもいいし さいこうのつーりんぐびより
おっとがそりんいれとかねーと なにげによったがそりんすたんど
あかいつなぎきてはたらいてるあいつ えーとなんていったっけ
↓
「いらっしゃいま…？」
うわやべえあわててめっとかぶったけど
しっかりかおみられた むこうもぜったいきづいたはず
↓
くらすがえしてまだいっかげつ まどぎわのせきにすわってるあいつ
なまえおぼえてねーけど かおはしってる おれのすきなかおだから
ってへんないみじゃねーよ どうせいだってかおのこのみあるだろ
↓
それにしてもなんでがそりんすたんどなんかでばいとしてんだ
にあわねぇ もちっとみばえのいいばいとあんだろ
よりによって どきっどきゅんだらけのがそりんすたんど ですか
かくじつにういてたっつーかはきだめにつる いっぷくのせいりょうざい
しょくばのはなみたいになってた
あかいつなぎかわいかっ…っておれなにかんがえてるんだ
それはあれだきっとはじめてあいつのわらったかおみたからだ
もちろんえいぎょうすまいるたけど がっこうじゃいつも
たいくつそうなかおでほおづえついてそとみてる
↓
あいつのえがおもういっかいみてみたい
あのがそりんすたんどいけばまたみれる？
↓
だけどふときがつくおのれのたちばやべー
うちのがっこうばいくきんし あいつにちくられたら
まじやべー
↓
れんきゅうあけがっこうであったらはなしかけてみようか
でもいかにもくちどめねらってるみたいで こそくなかんじ
どーすんべ
↓
きがついたらあいつのことだけかんがえてはしってた
っつーかここどこ？なにこのやまみちしかもめちゃめちゃゆうやけ
↓
しらないばしょでぼうぜんとたたずむ
こうそくいはんせめ（よてい）のはるのゆうぐれ
□ 394 □
【ある せいとせめのいちにち】
せんせい、おれとつきあってよと ありきたりなことばで こくはくした よくあさ
つうがくろで めがあった せんせいは さりげなく しせんをそらした
↓
なんだよ へいきなふりしてたけど きのうのおれ ひっしだったんだぞ
さんざんなやんで こくったのに へんじももらえずさけられて しょうじきへこむ
↓
みつめる しせんのさきで せんせいが きょうしせめに あいさつしてる
だいすきな あのまぶしいえがおが きょうしせめだけに むけられてる
↓
れんあいにかけては ひゃくせんれんまと いわれてる きょうしせめ
うわさどおり てごわいあいてだ あっ きやすく せんせいにさわるな
↓
ちゅうがくせいという じぶんのたちばを はがゆくおもう あるせいとせめのあさ
------------------------------------------------------------------
□ 398 □
【ある きょうしせめのいちにち】
せんせい、おはようございますと さわやかなえがおを きょうしうけにむける
つきささるようなしせんを こうとうぶにかんじる せいとせめがみてるんだな
↓
なれたしぐさで かたにてをのせて おくれちゃいますよと きょうしうけをうながす
さついのこもっためつきで おれをけんせいするせいとせめが しせんのはしにうつる
みないふりをして わざと きょうしうけと みっちゃく えがおをひとりじめ
↓
だけど きづいてしまった あかるくふるまう きょうしうけのめが すこしあかいこと
れんがづくりのもんをぬけ しょくいんげんかんのまえで あかいめの わけをきいた
↓
うつむいたきょうしうけ せいとせめのいるほうをちらりとふりかえる げんいんはあいつか
↓
ちゅうがくせいにまけそうだなんて みとめるわけにはいかない あるきょうしせめのいちにちのはじまり
□ 400-401 □
【あるこいをよくしらないおとこのこのいちにち】
「おはようございます」、とうけつけのせんせいにあいさつ。
↓
ぼくは こうこうじゅけんしていない。
ひとがおおいとこ にがてだから、つうしんきょういくにした。
でもそれだけじゃふあんな ぼくみたいなこを
さぽーとするのが、このがくいん。
↓
「おはよう！」とせんせいがにっこりあいさつ。
ここのせんせいはみんなふれんどりーだけど、それがちょっとつらい
↓
えれべーたーでにかいにあがる。
↓
あ、かうんせらーのせんせいだ。
かうんせらーのせんせい、いつもならいっかいにいるのに。
↓
「お、おはようございます」どもった、さいあく。
でもせんせいはほほえんで「おはよ」とかえしてくれた。うれしい。
↓
やさしそうなおーらがせんせいをつつんでる。
そうな、じゃない、せんせいはやさしい。
↓
でも、せんせいはかうんせらーだからぼくにやさしくしてくれるだけ。
みんなにびょうどうにやさしい。すこし、さびしいのは、なんで？
↓
かうんせらーのせんせいなんだから、あたりまえ。
なのになんで、かなしいんだろ。よくわかんない。
↓
「きょうは、なんのべんきょうするの？」せんせいがきいてきた。
「えっと、すうがく…わかんないとこがあって」
「すうがくのせんせい、いまいないんだよね。ぼくがみてあげようか？」
ええ！！？うわぁ、うれしい。
↓
「せ、せんせー、すうがくできるんだ？」
「いちおう、めんきょはもってるんだよ」とせんせいがほほえむ。
このひとのえがおは、すきだなあ。
↓
「あの、じゃあ、おねがいします。」ありがとうございます、というと
せんせいがふっとわらって「そんなにきょうしゅくしないでも」
とぼくの、あたまをなでなで。わー！
↓
まっかになったかおをつくえにふせて、
なんでこんなにどきどきして、くるしいのかまだよくわからない
あるこいをよくしらないおとこのこのいちにち
□ 445 □
【ある だんしこうせいのいちにち】
きょうはそつぎょうしき とくべつなひだから ねくたいをしめる
まだじゅんびのじかんには はやいけど きょうしつにむかう
↓
ああやっぱりいた おれのたんにん かっちりしたすーつがにあわないな
かみがたもぴっちりなのに めがねだけやぼったい
「あれ きみがいちばんのりだな そつぎょうおめでとう」
やわらかいえがお かおがまっかになるのがじぶんでもわかる
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ええと なにいおうとしてたんだっけ
そうだ そうそう せんせいがすきなの にゅうがくしたときからずっと
でも ことばのかわりにでてくるのは なみだ
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せんせいがあたまをなでてくれた
「こっそりおしえちゃうけど きみはとくべつかわいかったな いちねんかんありがとう」
おれはそのひゃくばいぐらいせんせいがすきだったよ
けっきょく「せんせい ありがとう」しかいえなかったけど もういいの
↓
ぐすぐすなきながら せんせいとはじまりのちゃいむをまつ
いまでもこんなにかなしいのに
えがおでさようならなんていえない あるだんしこうせいのあさ
□ 471-473 □
【あるふりょうせめのいちにち】
がっこういってもつまんねー
なにやってもつまんねー
むきりょく むい たいだ
やりたいことなんてなんにもないまま
まいにちすぎてく
でもそれでいいとおもってた
↓
あるひ
じゅぎょうさぼって おれ あききょうしつでひるね
そしたらあいつ いいんちょうづらしてやってきた
「じゅぎょう でよう」
おれ いった 「いやだ めんどくせえ」
↓
いいんちょうづらしたあいつ もういっかい
「じゅぎょう でよう」
おれ むししてねた
あいつ ずっとおれのそばにいた
（ばかなやつ おれのこと よびにきて）
（けっきょく じぶんもじゅぎょうさぼった）
↓
あいつとはなしたの それっきり
おれ ひとりだけど
あいつ ともだちいっぱいいる
↓
そして またあるひ
おれじゅぎょうさぼって あききょうしつでひるね
ぺたぺた あしおと あたまわるそう
あいつがきた なんとなくわかった
↓
あいつ おれのなまえよんで
まえみたいにいう
「じゅぎょう でよう」
おれ むししてねる
↓
あいつ もういっかい いった
「じゅぎょう でよう」
ふるえるこえにきづいて おれ めをあける
な なんでおまえ ないてんだ
しくしくないて あいつ もういっかいいう
「じゅぎょう でよう」
おれ わけわかんなくて
でも なんかわるいことしたきがして
「わかった」っていいながらたちあがる
↓
あいつ ふだん いいんちょうづらしてるくせに
なんでそんなうれしそうにわらうんだ
おれ ちょっとどきどきしながら
あいつのあたま こづく
↓
そのひから わらったいいんちょうのかお おもうたび
ねむれないよるをすごす あるふりょうせめの こいのはじまり
【ある○○のいちにち】in 801 since 2004/5/15