あるげーのうじん の いちにち 1

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□ 67 □
【あるまんざいこんびのせめのほうのはなし】

きょうもまんざいこんびのうけとまんざい

しかしうけがいうはずのねたがとんでしまった

おわったあとおちこむうけ ちょっとなみだめ

だいじょうぶだとはげましたらなきだしてしまった

どうしようもなく あたまをなでなで

するとうけはいっしょうけんめいなみだをたえながら なきわらい

まんざいこんびがないていたら おきゃくさんをわらわすことなどできないと

おれとうけはまんざいこんび それいぜんにさいこうこんび

おれはうけをぐっとだきしめた

さぁ つぎのぶたいへ

□ 185 □
【あるたれんとせめのいちにち】

おきたらひるすぎ

ひげがのびてるけど きょうのしごとはらじおだからそのままでいいか
でもせわやきうけにこのあいだちゅういされたから そっていこう

せんめんじょで てきとうにひげそり

らじおきょくついた
ぶーすにはいったら さきについていたせわやきうけが おれのかおをみてわらう
なにかとおもったら そりのこし

せっかくきれいなかおなのにもったいない とわらう せわやきうけ

えがおなんてみなれてるはずなのに どきどきしはじめる おれのむね

「いっぷんまえです」とぶーすにひびくすたっふのこえ
ほうそうがはじまるまでにむねのどきどきがおさまるかしんぱいな あるたれんとせめのいちにち

□ 201 □
【まえとはちがう たれんとせめのいちにち】

でびゅーしてはじめてのこんさーと

せんぱいのかげでかくれてた いままでとはちがうしゅういのくうき
さすがにあせる いきつまる

かいえん15ふんまえです ああもうどうとでもなれ
でもそのまえにきがえ
がくやのどああける

ぽつんとひとり あいぼううけのすがた
こなまいきそうなかお まっか ありゃ なみだめ?

せめくん ぼく もうあかん
にぎってるかしかーど くしゃくしゃ うけのかお くしゃくしゃ
おもわずいしょうのかげにひっぱりこんで だきしめる

せめくん せめくん ひげいたい
うっさい じょりじょりこうげきじゃ
まだまだはんにんまえ あかんのはおれもいっしょ なきそう

そのとき ちいさなこえ
だいじょうぶ
せめくんはだいじょうぶ
いちばんのがんばりやさん しってるよ
ほっぺたにうけのゆび あたま ぽふぽふ
ありがとう おまえがいてくれてよかった こころからそうおもいます

りらっくすしすぎて ひげそりわすれかけた
あるたれんとせめの かいえん5ふんまえ

□ 208-211 □
【よこれんぼしている あいどるのたまごのいちにち】

おきたら みぎうでがしびれてた。
なんでやねんって となりをみたら だいすきなかおがどあっぷ。
せんぱいうけだ。

きのうのよる、ねるちょくぜんに、なきそうなこえのとしうえうけから むかえにこいこーる。
らじおのしゅうろくすたっふさんたちと きんじょでのんでいるらしい。

あわててむかえにいったら、としうえうけがこいびとのおとこまえせめとけんかちゅう。
かるくあしらうおとこまえせめに、としうえうけはまっかなかおで なにかこうぎしている。
すたっふさんはおもしろそうにふたりをみているだけ。こうかいちわげんか?

おとこまえせめ、おれにきがつくと「こいつをいえまでとどけてやって」とたのんできた。
よくみれば おとこまえせめ うけよりもあかいかお。
これじゃぁ おとこまえせめがおくっても ともだおれ。

「おまえなんかきらいじゃー」
おとこまえせめにむかって わめくとしうえうけをむりやりひっぱって、
としうえうけのへやまでおくる。

へやまであがらずかえろうとしたら 「ねるまでそばにおって」と、すがられた。
せんぱいうけ、めっちゃさびそうなかお。
「だいじょうぶですよ、とまります」とおれ。

せんぱいうけより はやくねむりそうになるたび おこされるのは まいどのこと。
でも こりずに せんぱいうけにさそわれるたびに とまるおれ。

にじゅっぷんもしないうちに ひとのきもしらないで せんぱいうけ、きもちよさそーにねた。
めっちゃ むぼうび。けいかいしんぜろ。ちくしょう、おそうぞ。

でも、むりむりむり。
おとこまえせめ、ふだんはてんねんよそおっているくせに せんぱいうけがからむとめっちゃこわい。
きっとおれ、でびゅーもしてないのに、あいどるいんたいまで おいこまれる。

かわりに おこさないよう そっとあたまをなでてみる。
すこしかための さらさらのかみが めっちゃきもちええ。
これくらい、ええよな。

かいそうおえて まくらもとのとけいをみる。
せんぱいうけをそろそろおこさないと。
「おきてください、としうえうけさん」

ねおきのやたらいい としうえうけ、あさっぱらからげんき。
れいぞうこののこりもので ちゃーはんつくってくれた。
けっこううまい。おれ、しあわせもの。

しゅうろくげんばにつくと ゆにっとのなかまに
「どうはんしゅっきん?」とはやしたてられた。
あ、おとこまえせめがすねたかおでこっちをみている。

としうえうけが おとこまえせめのすがたをみとめて うれしそうなかおをする。
「きのうはごめんなぁ」
ぱたぱたとかけよると、ぺこんとあたまをさげるとしうえうけ。
こういうところ、めっちゃすなお。

おとこまえせめ、えらそうにうなずく。
としうえうけにだけは おうへいなたいどをくずさない。
でも きげんがいっぱつで なおったの ばればれ。

「きのうはわるかったな。ありがとさん」
おとこまえせめと としうえうけが いっしょにれいをいってきた。
おれは あなたたちの きけんぶんしにすら なれないんですね。

むねのいたみにきづかないふりをして
どういたしましてとわらう とししたせめのいちにち。

□ 224 □
【とあるあいどるのいちにち】

なんやしらんうちに でびゅう がきまって
けっきょく とうきょうに ずっとおることになった

あ、きがえとか なんも もってきてないな

どらいやーしかあれへんわ

こまったかおしてたら おれがさいしょにあったときに
「すねげこいですね」ってゆってしもた めほそ にこえをかけられた

きがえとかもってきてへんて しょうじきにいうたら
しょうがないなといって つぎのひかみぶくろのなかに
いっぱいいっぱい ようふく いれてきてくれた

あ あ あ あ あ ありがとう ってゆえへんくて
うつむいたらあたまをくしゃくしゃってなでられた

おかあちゃん、おれしあわせかもしれん。
あしたもまたがんばるで。
そんな あるあいどるのさいねんしょうのむねきゅんなゆうぐれ

すんません、すんません、タイトル変えさせてもらいました。ほんとごめんなさい @管理人

□ 273-274 □
【あるあくのそしきのかんぶのいちにち】

きょうもげんきにちきゅうをせいふくするぞ
あたらしいかいじんにしゅつどうめいれい
ようちえんばすじゃっくとかちんけなさくせんするなよ
ちゃんとごくあくひどうのかぎりをつくしてこい

いい感じにまちをはかいしまくってるとこに
まてーい!のこえ
ちっまたあいつらか

あかあおきいろみどりにぴんく
あいかわらずはでなかっこしやがって
べつにうらやましくなんかないぞ
おれのまっくろなふくだってかこいいんだからな

おまえらなんかにまけるわけないだろばーか
びしばしびしばし
ほらかんたんにふっとんだ

ふっとんだやつらのへんしんがとけた
そういえばすがおみるのはじめてだ

くっそーとかいいながらおれをにらむあかいの
なんでかそのめにどきりとした

ばーかばーかばーかばーか
いつもどおりあざわらってやりながら
あかいののめからしせんをそらせない

あっしまった
あかいのとにらみあってるうちに
あおいのやきいろいのにかいじんやられた

しょうがないかいじんきょだいかだ
でもあっさりやつらのろぼっとにやられた
このやくたたずめ

きょうはこのくらいにしといてやるぜ
まけおしみいいながらかえるまえにちょっとだけふりむいた
またあかいのがにらんでる
またどきりとするおれ

かえったらすぐにつぎのかいじんつくるぞ
そしたらまたあいつにあえるかな
あいつらじゃなくてあいつになってることに
まだじぶんじゃきづいてない
あるあくのそしきのかんぶのいちにち

□ 276 □
【あるぼけがだいすきなつっこみのいちにち】

きょうもあいかたはらいぶようにいっしょうけんめいねたをつくっている
できあがるまでぼくはひま。

むかしはあいかたのやくにたつように
いろいろあいかたがねたにつかえそうなきりぬきもよういしてたけど
あいかたがぱそこんかっちゃってけんさくするようになったから
それもなくなっちゃった

ひまつぶしにまんがよんでてふとあいかたをみると
あいかたはにつまってきたのかいらいらしながらかたてであたまをかいたあと
きーぼーどをこれでもかとつよいおとでたたきこんでいる

あおわったみたい
ほっとしたあいかたのきのぬけたかお
それをみただけでぼくはほっとする

ねたあわせするぞとあいかたのこえ
かいさんするかあいかたがねたをかきたくなくなるまでこれがなんどつづくのか
それでもそのこえがやさしいから
それだけでうれしくなるあるつっこみのいちにち

□ 342-344 □
【あるしんまえひーろーのいちにち】

おれは ひーろー

にしゅうかんまえ ぜんぜんしらないやつらがやってきた
このぶれすれっとでへんしんして いっしょにへいわのためにたたかって

やったぜ
おれ こどものころからあこがれてたんだ ひーろー
いちもにもなくひくうけた

でも ひーろーかぎょうって ほんとたいへん
てきはどんどんやってくる いつもぜんしんきずだらけ
のりでひきうけるんじゃなかった ちょっとこうかい
でも なかまがいるからがんばれる
がんばる

じぶんでも ここまでひっしにがんばるとはおもってなかった
おれってすごいじゃん やっぱりひーろー

きょうも やつらがまちをはかいする
あそこはおれのまち おれが ずっとすんでいたところ
おれの
おれのだいじなだちが いるところ

やめろおまえら ゆるさねぇ
おれのたいせつなもんを こわすんじゃねぇ

うしろがさわがしい なかまがさけんでいる
おれをとめている
ひとりでつっこむな きけんだ
わかってる でもむり じぶんでもとめられねぇ

だって
だって てきのじゅうこうのさきには にげまどうまちのひとびと
そのなかに おれのだち
たいせつな おさななじみ

すんでのところでまにあった
あいつをつきとばすようにひきはなす

せなかにやけつくようないたみ

そりゃそうだ てきとあいつのあいだにたちはだかってるんだからな
いいしゃてきのまとだぜ

だちはきょうふにひきつったかおで おれをみている
いや
みているのは ますくをつけたひーろー
おれじゃない

はやく にげろ
こえにちからがはいらない ろっこつ やったかな
だちはかたまったまま

だいじょうぶだ
わらう ますくのなかでたとえみえていなくても わらってやる

だいじょうぶだ おれがまもる
ぽんと りょうかたをたたいた
やっとすいっちがはいったらしい あわててかけだすだち

おれがまもるよ
おまえのまちを

おまえを

じぶんがたたかう ほんとうのいみをみいだした
あるしんまえひーろーの ぎゃくてんの はじまり

□ 357-359 □
【ある いなかにかえってきたろっかーの いちにち】

でんしゃのまどのそとには でんえんふうけいがひろがっている
きょうはおれ ひさしぶりに いなかにかえる

まわりのはんたいをおしきって じょうきょうしたのは3ねんまえ
どうしても おんがくのみちにすすみたくて
こっそりでんしゃにのった あのよる

おやじにも おふくろにも れんらくひとつせず
しんぱいかけてしまったことを あやまるためと
まだまだまいなーだけど おれ ばんどくんでがんばってるよ って
つたえるために かえってきた

えきについた
ふるぼけたまちなみは 3ねんまえとおなじまんま
うちのきんじょをあるけば みんながおれにあいさつしてくれる
まちはなんにもかわってなくて
ひともなんにもかわってなくて

みちをあるいていると どこかでみたうしろすがたをみつけた
あっ

あれは おさななじみの あいつ
ちいさいころからいつもいっしょ ちょっときのよわいあいつ
でもほんとうは だれよりもいしがつよいのを おれはちゃんとしってる
おれがじょうきょうするときも たったひとり こっそりてだすけしてくれた
がんばってこいよ って いってくれた

おれは ちょっとてれくさくなって よう と こえをかけた
と あいつといっしょに となりにいたこもふりむいた
だれだそいつ

ひさしぶりだねーとわらう あいつのよこで
そのおんなのこは はじめまして とはにかむ
いなかっぽいやぼったさはいなめないけど なかなかかわいい
かのじょ? ときくとてれくさそうにうなずいた
ふたりでめせんをあわせて かなりなかがよさそう

なんだかわからないけど こころのなかがもやもやする
ちくしょ おれよりさきにおんなつくりやがって と わらってこづいた
でもどうやら それだけのきもちじゃない
もっとふくざつな からみあった けいとみたい
そんなおれのしんちゅうもしらず あいつはむかしのようにわらった

とりあえず あしたあうやくそくをして さっさとそのばをはなれた

あいつは あいつだけは ずっとおれについてくるとおもった
あいつのいちばんそばにいるのは おれだとおもっていた
まちはなんにもかわってなくて
ひともなんにもかわってなくて
ただ かわったのは あいつのとなりに おれじゃない かわいいおんなのこがいること

いえにかえると おやじは ばかやろうといいながら ないてよろこんでくれた
おふくろは ごうせいなてりょうりをつくってくれた
そんなことがあっても なぜかとれない このわだかまり
おれのむねをしめつけてる

まちはなんにもかわってなくて ひともなんにもかわってなくて
でもやっぱり すこしずつ かわっていってしまうんだなあ…と すこしさみしくなる
ある いなかにかえってきたろっかーの ねむれないよる

□ 421 □
【ある きゃすたーせめ の いちにち】

なまほうそうのほんばんちょくぜん
にゅーすのしたよみ たいへん

とつぜんがくやに ちょういそがしいはずの
うれっこはいゆううけがはいってきた
なにしにきたんだよはいゆううけ!
おもわずぶっきらぼうにどなる

いやいやきょうここでしごとで
そういやこのじかんきゃすたーせめいるなっておもって かおみたくなったからきた
なんて めちゃくちゃかわいいこといってにっこりわらう

なに?おれじゃま?こないほうがよかった?
とかいいながらかってにがくやをぶっしょく
つくえのうえのおかしくったりだいほんよんだり

まじで ちょうじゃま かえれといってもへらへらわらってる
だっておまえががくやでまってるとかおもったら
おれ だいじなにゅーす かみまくりじゃんか

ほんばんおねがいしますとADのこえ

おまえあしたもはやいんだろ かえれよ っていったら
うーん、とはいゆううけなまへんじ

どあがしまるちょくぜん まってるからいっしょにかえろ、とはいゆううけのこえ

まじでやめてくれよといいながらもかおがにやける
ある やすあがりきゃすたーせめのいちにち

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