あるへたれ・おれさま の いちにち 1.5

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42-43 370 592-595 709 714

□ 42-43 □
【ある せんぎょうしゅふな へたれせめ の いちにち】

いってらっしゃい と じょおう うけ おくりだす
きょうは なんだか きげん が わるい
へたれせめ きになって しごと できない

けさ の ちょうしょく まずかった?
いいや おきにいりの ぐれーぷじゅーす ごくごく のんでた
しんぶん に いやな にゅーす のっていた?
いいや きょう は よんこま わらいながら みてたぞ

じょおううけ あさ は とくに こわいから へたれせめ きをつけてる
じぶん とろいの しってるから ようい の ために ごじに おきる
わいしゃつ に あいろん かけて かわぐつ に くつずみ ぬって じかん に あわせて とーすと やいて へやいっぱいに あさ の くうき を いれる
いつ きす もとめられても いいように は も ねんいりに みがく

けさ だって がんばったのにな
もしかして きのう の えっち が ひびいてる のかな
しごと つらいのかな
おれ の こと きらいに なったのかな
へたれせめ ゆか で たいいくすわり ひとり はんせいかい

じょおううけ すきで しかたないから いつも わらっていて ほしい
じょおううけ に きらわれたら おれ いきていけない

かんがえれば かんがえるほど かなしくて どうしていいか わからなくて なみだ が でてきてしまう
そんな じぶん が なさけなくて また なみだ
こんなひ に かぎって じょおううけ おそくなる と でんわ してくる
きょう は はなすこと すら かなわない

じょおううけ ごぜんさま に なって ようやく きたく
へたれせめ みて なに きたないかお してるんだ と つめたい ひとこと
あわてて ちーん とはな を かむと めのまえに じょおううけ が こぶし を さしだす

おまえ きょう たんじょうび だろ
あさ おもいだしたんだけど おれ おまえ の すきなもの なんて これくらいしか しらないし さがすの くろう した
じょおううけ の もってるのは かいがら の かせき
おれが かわら で みつけた かせき こっそり あつめてるって なんで しってるんだろう
いつから さがしてたんだろう
じょおううけの よごれた すーつ みて なみだ が とまらない へたれせめの しあわせな たんじょうび

□ 370 □
【ある どんかん へたれせめの いちにち】

あさ のっそり あるいてたら かどで うけに ぶつかった
うけが くわえてた ぱんが おっこちたので おわびに がくしょくで ひるをおごれといわれた

やすみじかん としょかんで ほんを さがす
さがしてた ほんが みつかって てをのばすと よこから のびてきた てと かさなる
あれ うけも このほん すきなのか
そういうと おこったような かおをするので ほんは ゆずった

じゅぎょうちゅう うしろから なにか こまかいものが とんでくる
あたまに あたる それを てにとると けしごむを きざんだもの
めせんだけ うしろに ながすと うけが しらんぷり
なんだろう なにか したかな?くびを かしげても しらんぷり

ひるやすみ やくそくどおり ひるごはんを おごる
かれーうどんが すきなので たのむと おれも おなじの と うけ
うけも かれーうどん すきなのか なんか しゅみが あうなあ
そういうと また なんだか おこったかお
おなじ しゅみだと いやなのか ちょっとへこむ

ほうかご ぶかつに でる のっそり してるけど これでも さっかーぶの きーぱー
でかいこえで しじを だしたり ごーるを ししゅしたり
むちゅうで うごいていたら ふと ふぇんすの むこうに うけが みえた

じっと みているのは なぜだろう さっかーが すきなんだろうか?
もし そうなら もうひとつ おなじ しゅみの はっけん だけど
いいかおは しないから いわないでおこうかな

でも とりあえず さっかーぶへ かんゆうは してみようと
きゅうけいじかんに ふぇんすのほうへ むかう
どんかんで へたれな せめの ちょっと けんとうちがいな こいのはじまり

□ 592-595 □
【ある きのいいおとこの いちにち】

うわやっべえちこくだよ
ねぐせあたまを かたてでなでつつ
つぶやきながら はしる おとこ
にゅうしゃしてもう はんとし
すーつすがた だけ は いちにんまえで
がたいはいいけど はやおきにがてで
ねこじただから しょくじはおそく
がくりょくはそれなり なのに どじでまぬけ
みかけとなかみが せいはんたい とわらわれている
あはははそうっすよねーとみんなといっしょにわらっちゃう
きのいいおとこ

えきのかいだんを いちだんぬかしで かけあがってると
とんっとかるいしょうげき むねのあたり
「ん?」
なんだろうと きょろきょろすると
むごんでにらむ あしもとからのしせん
つきささる いたい こおりのやいばだ

「あああのすいませんごめんなさいおれいそいでてほんとすいませ」
「て」
「は?」
「て!」
どうやら てをかせ といいたいらしい
ほそくていろじろ すーつのだんせい
やさしげな かおつきなのに おにのぎょうそう
こわい めっちゃ こわい
「ああああすいませんごめんなさいおれきがきかなくてほんと」
いいながらさしだした て つよくにぎられ ひっぱられ
きづいたときには おおきなひとみ めのまえに
「やああのすいませんごめんなさいおれ あ けがしてたらこちらにれんらく」
さしだしためいし むしりとるようにして あやまるおとこにせをむけ
さっそうとあるきだす だんせいの
ほそいせなか かるくゆれる ちゃいろっぽいかみ
が ひとごみにまぎれるの
おとこは ぼうぜんとみおくってた

かいしゃについたら やっぱりちこく
じょうしはあきれがお「またおまえか がくせいきぶんがぬけきってないんだ
これだからさいきんの…」 せっきょうすたーと
もうしわけありませんこんどからきをつけます
ごかい いったところで ないせんでんわ
おまえ もうとりひきさきのかたがいらしてるそうだ
いそげほらはやくいけ と しりをひっぱたかれ
あなたのはなしがながいんです とちょっとおもいながらも はしりだし
かいぎしつの どあのまえで しんこきゅう すーはーすーはー
のっく のっく のっく
しつれいします
「・・・・・」
「あ!」
あさのあのひと おれがつきとばしたっていうか はりたおしたっていうか
たいあたりかましちゃった あのひと
みけんにしわよせ くちもとわらって めがにらんでる
やっぱ こわい でも きれいだな
きっとわらったら もっとすてきなのにな

「おまたせしましてもうしわけございませんおれいやわたしはあのえーとえーと」
「おおたくんですね めいしはさきほどいただきましたから」
くすっとわらった だんせい
ずっきんしんぞうちょくげきの すぺしゃるすまいるえいぎょうふう
まだおこってるのかもしんないけど うれしいうれしい
うーれーしーいー

おこられたことなんか すっかりわすれ
さいあくのであいだったことも もちろんきおくのかなた
にこにこもしくはにやにやと がんめんくずしてちからいっぱいあくしゅする
ある きのいい へたれおとこの うんめいのであい

□ 709 □
【ある どんかんなうけの いちにち】

あさから いやなよかんがしてた こういうかんは むかしからあたる
かかってきた でんわにでたら やたらはぶりのいい きちくせめからだった

よびだされたさきは やけいがきれいなこうきゅうれすとらん こういうのはにがてだ
りらっくすしたようすで きげんよくぐらすをかたむける きちくせめ

しっかり かくほされた すいーとるーむのかーどきーをみて いまさらきんちょう

ろまねこんてぃがどうのって よくしらないけど そうとうたかそうな あかわいん
がんがんあけてるけど だいじょうぶなのかなと ちょっとしんぱい

すっかりできあがった きちくせめ いつもより ちょっとじょうぜつ
きれいだろ とやけいをゆびさす おまえのために よやくしたんだぜ だって

なんでぼくなんかさそうんだろう きちくせめなら あいてはよりどりみどりだろうに
のみきれない わいんを ぐらすのなかで くるくるまわしながら こっそりためいき

にぶいあいてにてをやいて じつはどうしたらいいかわからない きちくせめが
なやみぬいてけいかくした でーとだったなんて しりもしない あるうけのいちにちのおわり

□ 714 □
【ある へたれうけの いちにち】

どんかんぜめを うちによんで
げーむして めしくって さけのんで またーり
あとはほら わかんだろ

よっしゃあ きょうこそ やってやる
どんかんきわまる こいつに がつんといっぱつ さそいうけ
そろそろ てぇだせ やるきだせ ごるぁ

いいかんじに あるこーる まわってきたきた
ほらほら なんか いいかんじ
って なんだ こいつ かおいろひとつ かわってねえ

「もしかして おまえ しゅごう?」
「さあ なんつーか よっぱらったことは ねえけど」
なんてこった けいかくが だいなし

ええいままよ がばっといったれ
と おもってはみるものの いかんせん たいみんぐが つかめません

うだうだ かんがえながら かぱかぱ のむうちに
てんじょうぐるぐる うげえ もうだめぽ

さいしゅうてきに ばたんきゅう
ぶっというでで べっどにはこばれ なにごともなく

つめたいみずを のまされながら
こんどこそはと けついをかためる
つっぱしりぎみ へたれうけのいちにち

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