あるげーのうじん の いちにち 1.5

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□ 138-140 □
【ある じしょう みゅーじしゃんの いちにち】

れぎゅらーの いべんとがおわったあと
らいぶはうすの おーなーに よびだされたじてんで
いやなよかんは してたんだ

「おまえら よくがんばってるけど やっぱり これいじょうはなあ」

だいがくをやめて あいかたとくんで おんがくはじめて もうはちねん

あいかたの ぎたーは そうとうかっこよくて
おれも ちょっとは じぶんのきょくに じしんがあって
「だいじょうぶだって なんとかなるって」
そういって わらう あいかたと

おれたちは きっといけるって
ふたりして むだに じしんまんまんだった

でも はちねんやって てもとにあるのは
じしゅせいさくの しょぼいしーでぃーと ちいさな いべんとのれぎゅらー

あ もう れぎゅらー ないんだった

くらいきもちで らいぶはうすをでたら
あいかた あほづらさげて おれをまってた
おつかれー とか ちくしょう のうてんきにも ほどがある

おーなーに いわれたことを つたえたら あいかた あほづらのまんま

「まじでー まいったね こりゃ」

こいつ ころしたい

いっしょに すんでる きったねーへやにかえって
きんきゅう ふたりかいぎ
ぎだい「どうするよ これから」

ぎちょう おれ
しょき おれ
しりょうさくせい おれ

ひとが うんうんうなって かんがえてるとなりで
あいかた のんきに ぎたー ひきだした
やっぱころしたい このやろう

でも やっぱり はちねんたったいまも
いや はちねんまえより ずっと
あいかたのぎたーは かっこよくて
あざやかだ

………

はっ

やべー いまおれ ききほれてなかったか

きづいたら あいかた にやにやわらって おれみてる

「だいじょうぶだって なんとかなるって」

てめー はちねんまえから それしかいってねえじゃんか
どくづきながら それでも ちょっとだけわらった
だって だいじょうぶじゃん と あいかたも わらった

でもそうだ そうだった
こいつとなら おれたちなら どこへでもいけるはずなんだ
きっと きっと

そんなわけで ぎだいへんこう
ぎだい「しんきょく どうするよ」

むかしほど じしんまんまんでは ないけれど
それでも ひっしで ひびに しがみつく
ある じしょうみゅーじしゃん ふたりの まいにち

□ 431-432 □
【あるとうきょうぐらしおとこのよる】

おまえ、うるさいよ。
こんなじかんまでうっとうしい。
きんじょのひとたちもねてるだろうし、いいかげんにしろ

うるさい、せっかくこっちにでてきたんだからびっくになるんだ
ちやほやされて、おんなにもてて
いままでずっとあんないなかにいたのをほめてほしいくらいだ

でもやっぱりめいわくだよ。
ほら、あそこのいえのあかちゃんおきちゃったじゃねえか
あしたのあさでいいだろう。おまえももうねろよ。
おれだってねれやしない。

だってさ、こんなことできるじかんなんてすこしだけだぜ?
おれらのながいじんせいのなかのひとにぎりだ。
いまをたのしまなきゃいみないじゃねえか。

たのしむんならほかにもほうほうはある。
はやくねろよ。あさになってからたのしめよ。
おれもあしたはつきあってやるからさ。

あしたにはしんでるかもしれないだろ
じゃあこうしよう。これはおんなにもてるためじゃない。
おまえにあいをつたえるために…ってなぐるな。
かおあかいぞ?だいじょうぶか?

な、なんてこというんだよ。
じょうだんはほどほどにしろ。
あーもうどうでもいいよ。さっさとねろ!

ほんきなんだけど、ということばはきかないことにした、
あるみゅーじしゃんしぼうのゆうじんのよる。

□ 433-435 □
【ある ○ざーさんのながいよる】

いよいよきょうは えむわんぐらんぷりの けっしょうだ
くじびきのけっか ぼくらはとっぷばったー すげーきんちょうする
でもだいいっかいのゆうしょうしゃ Nがわけさんも とっぷばったーだったっけ

いよいよでばん このでばやしのきょくすきなんだ いいかんじにてんしょんがあがる
せんたーまいくにむかって いきおいよくとびだすと…
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

めのまえにはあの TかわDんしししょう!
しかもよくみると かんきゃくせきすべてがDんしDんしDんしDんし…

おととし はいしゃふっかつでけっしょうにでたとき しもねたきらいだからと すごくひくいてんをつけられて ぶたいでなきそうになったことをおもいだす
あのとき Dんしししょうはひとりだったけど いまはなんでこんなに うじゃうじゃいるの
わけわかんないけど とりあえずねたやらなくちゃ
あれっ なんのねたやるんだっけ…
じゅ○はおれのようすにきづいてない おれのことばをまっている
でもおれは うたをわすれたかなりあのように ねたをわすれてかたまっている
どうしようどうしよう だいじなぶたいなのに Dんしししょうごいっこうさまが みてるっていうのに
じゅ○ たすけて

きがつくと あせびっしょりで べっどのうえ なんだ ゆめか
なんかしょっぱい かがみをみると ほおにはなんぼんものなみだのあと
たいしたゆめじゃない とじぶんにつよがってみるけど
おととしのくやしさと
ほんとうにことしのえむわんで ねたがとんでしまうのではというふあんがごちゃごちゃになって
なみだのすじはふえるばかり このままじゃねむれない
そうだ だれかにぜんぶはなしちゃえば すこしはらくになるかな
「もしもし じゅ○?ごめん、ねてた?」
「いや、おきてたけど。こんなじかんにどした?」
もつべきものはあいかただ こえをきくだけでほっとする
あんしんしたら またなみだがあふれてきた こえがふるえるのをひっしでおさえて ないてるとばれないように
さっきまでのおれのことをぶっちゃけた
「あのさ、おれ、いま、こわいゆめみて………」
「(゚Д゚)ハァ?」
いや、このくらいでへこたれるおれではな
「○ざーさん、なごやからわざわざつれだしたおれがいうのもなんだけど、
もうさんじゅうこえてんだし、こわいゆめみたぐらいでなきながらでんわするのやめてくんない?
おれにどうしろっていうのよ。ゆめたべてくれってか?いっとくけどおれ ばく じゃねえからな。
あした しはつでなごやにいかなきゃなんねえんだからはやくねろ。じゅくすいしろ。のんれむすいみんならゆめみなくてすむだろ
あしたぜんぶきいてやるから。じゃな。きるぞ。」

ゆめなんかよりもずっとこたえたよ…_| ̄|○

□ 759-762 □
【あるおとこのいちにち】

「おまえのとるえいがにでるために おれは やくしゃに なったんやで」

さけをのんだときの せめのくちぐせ
いっしょに とうきょうにでてきた
えいがかんとくをめざすおれと やくしゃをめざすあいつ
ろくなしごとももらえない まいにちのなか
べろんべろんに よったときだけ でかいくちをたたく だいこんやくしゃ
ふるさとのことばが まわらないくちから こぼれおちた

もがいてももがいても まえにすすめない このだいとかいで
おれが どれだけ このことばにささえられたか

「ばーか おまえなんか つかってやんねーよ」
おれは とうきょうべんでそういって きどったふりをする
びーるをいっきにのみほしたのは ゆるんだくちもとを かくすためだった

だが それは なんねんもまえのはなし
いまおれのてのなかには めがほんじゃなくて みかんがある
こたつにもぐって てれびをみるおれのせなかに
ようしゃなく ははおやのきびしいことばが かけられていた

「30すぎて いっしょにしょうがつすごすひとも おらんのかいな」
「いえとびでたくせに のこのこ かえってきよって」
「おかーちゃん きんじょのひとに むすこはしんだゆーてまわるわ」

みみが いたい
おれはただただ せなかをまるめて みかんをむいた
てれびでは しょうがつのとくばんが はじまるところだった

「なっさけないあんたとちがって あのこはこのごろ ようけてれびにでとるね」

ぶらうんかんのむこうには いまうりだしちゅうの わかてやくしゃ
おさないころからみなれた せめのすがたがあった

ざっとうに うもれていくおれと
どんどん さいのうをかいかさせていく せめ
いのなかのかわず たいかいをしらず とはよくいったもんだ
はいいろのそら せいざのないよる
いきぐるしいでんしゃのなかで おれはゆれるこうこくに ちいさなせめのかおをみつける
そのしゅんかん こみあげてくるものは うれしさではなかった

いつしか しゅくはいのさけをまじえることも なくなっていった

あなうんさーが せめにまいくをむける

「はるから えいがのさつえいが はじまるそうですね」
えぇはいまぁ とてきとうなへんじをしているせめ
「えいがしゅつえんは にさくめ ということですが どうですか?」
こたえにくいしつもんに せめはあいまいにわらった

えいがのしごとがきたよ
あのひ せめはそういって ぎこちなくわらった
あぁ おれ そのかおすきだな すごいすきだな おれ おまえのこと
すごい すき やったな

「おいていくなや」
そのことばが どれだけせめをきずつけるか しりながらも あふれそうになったとき
おれは もう げんかいかなっておもった
ゆめもあいつも すべてほうりなげて おれはあのまちからにげだした

てれびのむこうにはいつも おれのすきなせめがいる
そっとふれると ゆびさきにひんやり つめたいかんしょく
いつか わらって ふぁんれたーでも だしてやるよ
さいんとかせびって きんじょにくばってやる

こんどこそ おめでとうっていうから
そしたら また おまえは こまったようにわらってくれるかな

しょっぱい みかんを ほおばって
おかあちゃん このみかんくさっとるわ とかすれたこえでいう
ある ゆめにやぶれたおとこの いちにち

□ 774-776 □
【あるふたりぐみの いちにち】

けさも いつものように けたたましくめざましがなる
やつは おきてるときにはかんがえられない しゅんびんさで めざましをとめる
そしてまたねる
もういちどなったところで けっきょくおなじことだ
ねぼうできればいいのだけど ごぜんちゅうは ばいとがはいってる
なにがなんでも たたきおこさなければならない

まず そのへんにあったえんぴつで ほっぺたをつついてみる
やっぱりおきない
つぎに つくえのうえにあったじょうぎで おでこをぺしぺしたたく
うーん これでもだめか
それならばと じぶんのぎたーをひきよせて へっどでおもいきり ほっぺたをおしてみる
お きいてるきいてる もうひとおしだ

「…… おはよ」
「おはよう」
「けさもまた あらっぽいおこしかただね」
「こうでもしなきゃ おきないじゃん」
「もう かおとか あらったの?」
「ついでに もうきがえて でかけるじゅんびも ばんたんです」
「さすがー じゃあとりあえず かおあらってくる」
もそもそとたちあがって せんめんじょにむかう まだまだ あたまがおきてないようす

おれらは ふたりぐみの ひきがたりゆにっとだ
まるでだめだったひびに このままじゃいけない と ふたりで しんけんにはなしあった
ぷろをめざす ぷろのみゅーじしゃんになるんだ と ふたりで かたくかたくちかいあった
そして かべのうすい ずたぼろのやすあぱーとに ふたりですんで
ごぜんちゅうはばいと ごごはめいっぱいきょくづくりや れんしゅう というひびをおくっている
ごご というか いつもまよなかすぎまで あきることなく
あーでもねぇこーでもねぇ と おとこふたり しんけんしょうぶ
ちなみに あぱーとのじゅうにんは おれらふくめ みんなむしょく
いろんないみで すげーあぱーとだ

「なあ」
「ん なに?」
たおるでかおをふきながら やつはこたえた
「……やっぱり なんでもねぇ」
「いいたいことあるなら はっきりいってよ」
「じゃあいうけど ……やっぱり はずかしいなぁ」
じぶんのやったこととはいえ やっぱりてれくさい
「ああもう とっとといえよー」
「…さっき こんなきょくつくったんだ」
それは やつにあてたうた
せいいっぱいの かんしゃや そんけいや ほんのちょっとのふまんや そのたいろいろぶちこんで おれは うたった

そのうたをききおわった やつは とつじょ さけんだ
「こんな はずかしいうた つくりやがってー!」
「だっておれ おまえのこと そうおもってんだもん しゃーないじゃん!」
「だから そういう こっぱずかしいこと めんとむかって いうんじゃねぇー!」
「じゃあ うえむいて……」
「や それ へりくつだから!」
「ほら あとじゅっぷん!」
「……ごまかすなよ」

ばいとがおわって やつは いった
「ばいとちゅう あのうたのこと おもいだして しごとにならなかったじゃねーか どうしてくれるー」
「ごめん それ ふきんしんだけど なんだか うれしい」
「いや おれも あのきょく うれしいから やっぱり はずかしいけどさ」

さっそく あれんじしようと うたいだしたら おれらふたりとも やたらとはずかしくて つづけられない
こんなんで ひとにきかせられる きょくになるのか ぎもんふ
しかたない べつのいこう べつの!

かおをまっかにしながら がっきをひきまくる あるふたりぐみの けたたましいごご

□ 816-817 □
【あるとてもうそつきなこうこうせいのいちにち】

「もうわかれよっか」
といわれてきみはめをまぁるくした

「またじょうだんなんだろ やめろようそつきいつもそうやってうそばかり」
くちはわらってるけど めがぜんぜんわらってないきみのかお

「もうわかれよっか」
もういちどいうときみはひっしなめでぼくをみる

「もうあきたんだよ おまえきもちわるいよ」
つめたくいってぼくはどあのぶにてをかける
きみはおろおろしてる せなかをむいてるけどわかるぼくにはわかる

「ごめん おれ なにか したの」
「ぼくがあきただけだよ」
せなかをむけたままこたえる おどおどしたこえ

それからなにをはなしたのかおぼえてない
けどすごくつめたく ひどいことばをはいたきがする
きみはさいご なきそうなめでぼくをみすえていった
「ごめん」

かわいいよ
きみがいちばんだいすきだよせかいでだれよりも
もっといたいずっといたい

でもそんなのむりだ

きみはいまがにんきぜっちょうのぐるーぷのぼーかる だろ
みんなからあいされてるだろ
だから ぼくなんかはいないほうがいい
ぼくみたいなのはいないほうがぜったいに

ほんとうにいやなやつだったねとそんなふうにだれかにはなせばいい
そのほうがつぎのひと みつけやすいから

ゆびにはめたぎんいろのゆびわをごみばこへなげすてる
さいごのさいごまでうそつきだったあるこうこうせいのいちにち

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【ある○○のいちにち】in 801 since 2004/5/15