□ 41 □
【あるへたれせめこうこうせいのいちにち】
せっかくあさいっしょにいこうってやっとやくそくしたのにねぼう
↓
いそいでいえをでる
きょうはすごくさむい
いそぎすぎてうわぎをわすれてくる
↓
あいつをみつける
ごめん。ねぼうしちゃって!ほんとに ごめん!
あぁ、またおこっちゃうのかなぁ
↓
と、おもったら
「さみーだろ」
っていいながらじぶんのまふらーを くれて
せいふくのした、かーでぃがんのなかであっためてたちいさなてを さしだしてくれた
↓
うれしかったので あいつのてをぎゅっとにぎるとわらいながら
「いてーよ」なんて
すごく うれしいね
あるこうこうせいかっぷるのほんわかあさのとうこうふうけいは、おしまい
□ 196 □
【ある へたれせめの いちにち】
うけのへや ふたりならんでべっどのうえ
なにかいいたげなせめと それをまっている うけ
↓
けついをかためたように うけにむきなおる せめ そのめはしんけん
ついにきたか と きんちょうするうけに せめはひとこと
↓
「まめまきしよう」
↓
「は?」
「だってきょう せつぶんだし」
かたまる うけ
せめはやっぱり しんけんなかお
↓
「おにはそと!!」
「いた!うけ いたいって」
さんざん まめをぶつけられても うけのきもちがわからない
あるどんかんなへたれせめのせつぶん
□ 338 □
【あるへたれせめのいちにち】
あさはいつも おちつかない
まどぎわのせきで そわそわ きょろきょろ
↓
まるみえのせいもんをみて きゅうゆうがだべっているとびらをみて またそとをみて
↓
まだかな
↓
あっ きた!
↓
ゆうじんと したしげにはなしながらもんをくぐったのは くらすめーとの めがねくん
たのしそうにわらっている とてもかわいい
↓
ぱち あ めがあった
↓
にこっ
↓
がたがたっ
↓
しまった おもわずかくれてしまった せっかくわらいかけられたのに
↓
おそるおそる もういちどのぞきこむ
↓
ああやっぱり めがねくんは かなしそうにうつむいて つむじがこちらをにらんでいる
↓
ものすごく こうかい
↓
とにかく かれがここにきたら あいさつしよう
そうすれば またわらいかけてくれるはず
↓
まるで にくいかたきでもみるかのように じっととびらをにらみつける
ある むくちでへたれなこうこうせいせめの しぎょうまえは
ここさんしゅうかん にたようなぱたーん
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□ 339 □
【あるへたれうけのいちにち】
ひるはいつも きんちょうぎみ
おべんとうをかかえて どきどき ばくばく
↓
むくちくんと ともだちと おくじょうでらんちたいむ
「おまえのべんとうは あいかわらずごうせいだなぁ」とは とものことば
↓
おとこらしくないかもだけど りょうりのうでにはじしんがある
↓
そして むくちくんはきょうも おにぎりいっこと ぱっくのおちゃ
↓
おなか いっぱいにならないよね
えいようだって ぜったいたりてない
ごごも たいいくやぶかつだってあるのに
↓
いおうかな
↓
いうんだ
↓
あしたは きみのぶんのおべんとうも
↓
「……どうかしたか?」
「なななななんでもないですぅ…」
↓
ばかばか ぼくのばか
↓
ええい あした あしたこそはいってやる
「きみのぶんも おべんとう つくってあげるよ」って
↓
おおきくけっしんをかためながら たまごやきをほおばる
ある めがねでへたれなこうこうせいうけの ひるやすみは
へんかがおとずれるまえに なつやすみがきそう
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□ 340 □
【あるくろうしょうなゆうじんのいちにち】
ゆうがたはいつも ひろうこんぱい
まちあわせばしょでも くたくた へとへと
↓
げんいんはゆうじん むくちなひとと めがねのひと
↓
むくちくんは むくちでむひょうじょう
というより しゃべるのがにがてらしい
きょうもまた ことばがたりなさすぎて めがねくんをふあんにさせた
↓
めがねくんは ひっこみじあん
いいたいことが なかなかいえない
きょうもまた ゆうきがたりなさすぎて むくちくんをこんわくさせた
↓
おたがいおもいあってるのなんて はたからみればまるわかり
いつまでたっても しんてんのないふたり
↓
てゆーかなんでぼくがつかれてんの
↓
こういうのはとうにんたちのもんだいであって ぼくがやきもきするひつようはないよな
↓
……………………
↓
でもやっぱ たいせつなゆうじんだし
わらっていてほしいし
↓
とりあえずはかいわしろと ためいきをつきながらおもう
ある くろうしょうでおひとよしなこうこうせいゆうじんの ほうかごのまちあわせは
じつはあいてはとしうえのないすみどるなかれし というのはうらせってい
□ 521 □
【あるはらぐろせめのいちにち】
あさおきる
もちろんいちずうけがいるはずもなく さっさとしたく
↓
あさくると いちずうけがもうきてる
あーあ こんどはじょしにてだしてるような やんちゃせめばっかりみて
あきらめてないわけだ
↓
ばかだなあ ばかなやつすきになったのはじめて
↓
やんちゃせめのほうをおもいっきりにらむ
えがおをかえしてくる はあ そうですか こちらのかんがえはしらないと
いちずうけはこっちをみているだけで ぼーっとしてる
↓
いちずうけー
よんだらいちずうけがふりむいた
↓
なに
いちずうけがいう
やんちゃせめをにらんだことも なにも きづいてないみたいだ
↓
いちずうけはなにもきづいてない
いつも ふきげんそうにみえるかおを のぞきこんでいることも
↓
じゅぎょうちゅうもさくをねっていた あるはらぐろせめのいちにち
□ 542 □
【あるへたれぜめのいちにち】
しゅっちょうにでかけるうけさんを起こす
ねえ うけさんおきて しんかんせんにまにあわないよ
↓
「あとごふんくらいねかせろ ごるぁ!」
↓
…ねえ うけさん
めをつぶっているのに どうしてあごにくりーんひっと?
↓
うけさんのために ちょうしょくをつくる
うけさんのすきなかきたまご ひかげんがだいじ
↓
ふらいぱんにあぶらをひいてかねつ たまごをぼーるにあける
うわあ ふたごのたまごだあ おれとうけさんみたいによりそってる……
↓
「なぁにやってんだ このへたれぇ! けむりたってんじゃねえか!!」
↓
え? あ あああ ごめんなさいうけさああん
あちちあちち ひをとめなくちゃ あちちあちち
↓
「……ったく て みせてみろ」
↓
……あっ……!
ふしくれだったゆびが うけのくちびるへきえる
あごのいたみも やけどのきずもわすれる あるへたれぜめのいちにち
□ 679 □
【ある なるしすと の いちにち】
ぼくは うつくしい
↓↓↓
それは とうぜんのことで
それが とうぜんであるように
ひび たゆまぬどりょくもしている
↓↓↓
みためだけじゃなくて なかみをみがくこともわすれない
べんきょうだって がんばってる
こないだの ぜんこくもしだって じゅういだった
↓↓↓
だけど そのどりょくを いちばんわかってほしい
きみには ぜんぜんつたわらない
↓↓↓
なんでこんなに ぼくががんばってるかなんて
きみはかんがえたことが あるんだろうか
↓↓↓
もちろん じぶんのため でもある
…けど、ほんとうはきみに もっとぼくのことをみてほしいからなのに
↓↓↓
どうしてなんだ?
そのへんのじょしなんかより ぼくのほうがうつくしいはずだ!!
それともこのぼくに みりょくがたりない とでもいうつもりかっ!?
――きみのためなら なんでもできるのに…
↓↓↓
やきもきしながら きょうも 「かだいおしえてー」なんて
のんきにたよってきた どんかんなきみを みつめる
ある なるしすと の いちにち
□ 756-757 □
【ある しょうじきになれないおとこのいちにち】
おれと あいつはともだちいじょう こいびとみまん。
いつもべたべたしてきもちわるい
おまえほもかってきいたら ひていしなかった
ばかかおまえ
↓
きょうはあいつのたんじょうび
ほらよ たいしたもんじゃないぞきたいするなよ
びっくりしたかおのあいつ
きぶんがいい。
↓
「…じぶんのたんじょうびなんてわすれていた
ありがとう。きみはほんとうにぼくのしんゆうです。」
↓
ばかやろう
そういってぷれぜんとをなげつけた
ぽかんとしたかお ばかかこいつ
しんゆうということばにぜつぼうした、しょうじきになれないおとこのはなし
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