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【ある らいふるまんのひび】
たきびのない のじゅくのさむいあさ
たんきなじょうかんに ちからいっぱいけとばされる
↓
しぶしぶおきる
↓
やつはしごとのおに
だんろのある みんかのいまでざこね
ものぐさなじょうかんに だんろのばんをいいつけられる
↓
しぶしぶひきうける
↓
やつはだんろのまんまえをじんどっている
てきみかた たたかうきのない どしゃぶりのあめ
やることもないじょうかんに よばれていたことをおもいだす
↓
しぶしぶしゅっとうする
↓
やつはすやすやねてやがる
あまおとうるさい てんとのなか
ねむっているじょうかんのてににぎられた かみとえんぴつ
↓
しぶしぶべっどのあしもとにこしをおろす
↓
やつはこれだからにくめない
『のろまのくそやろう おまえがいないとたいくつ』
□ 515-517 □
【あるまふぃあのせいねんのいちにち】
あさもやのなか、へやにもどってくる
あいかわらずさっぷうけいなへや せまいべっどにねころがった
きょうはつかれたな
しったかおをころすのは いくらしごとといってもきぶんがわるい
うらみがましいめをしたせいねんの さいごのかおがのうりにうかぶ
あたまをふって ためいきひとつ
↓
ここはいちばんいごこちがいい
ひとりでいれば うらぎりにもだましあいにもあうことはない
いろあせたしゃこうカーテンをあけると まだねむりからさめきらないうらどおりがみえた
いや むしろこのせまいうらどおりは いまからねむりにつくのだろう
↓
いつのまにかねむっていた
みじかいなつをおもわせるつよいひざしでめがさめる
なつはきらいだ
あるびののおれはひざしによわいから
ためいきをついてかーてんをしめ おれはもういちどねころがった
↓
よびりん
↓
だれだろう
↓
けいかいしながら どあすこーぷをのぞく
うらせかいでいきるおれにはてきがおおい
どあをあけたしゅんかんにとかれふでやられたりしたらしゃれにならない
↓
どあのむこうにはゆうびんやがいた
↓
すぐにゆうびんうけにことりとおとされるいっつうのてがみ
だいれくとめーるでもそしきからのなにかでもない
↓
えあめーる
↓
なかにはかみいがいははいっていないようだ
なるべくじぶんからはなして ふうをあける
なんのへんてつもないてがみ
きょうようごでかかれた
↓
はのうくようなことばのられつ
おもわずかおがゆがんだ
けれどそれはけしてきもちがわるいだけではなく
なんだかくすぐったくて
となりにいたときのあいつのくちぐせをおもいだす
↓
「おれのまえでは、そんなひとりぼっちみたいなかおしないでよ」
↓
うるさい
いつだっておれのこころにはいりこんで
かきみだして
かってにとなりにいるくせに
そ ん な こ と ば
↓
のどのおくにつんといたさ
ぜんぶのみこんで
しんこきゅうひとつ
↓
もうすこし ねよう
このてがみは
まくらのしたにでもおいてやる
あいつのゆめぐらいみてやっても わるくはないだろう
↓
ふたたびまちがうごきだすよるがくるまで
すなおになれないきもちをゆめへととかす
あるさみしがりやのまふぃあのせいねんのいちにち
【ある○○のいちにち】in 801 since 2004/5/15