□ 32-33 □
【あるこうはいのいちにち】
だいがくにねんめの ふゆ
そろそろ そつろんを かんがえるきせつ
それにはせんぱいの あどばいすがひつようで
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せんぱい
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よんでみると ねむそうなこえの なまへんじ
つくえでつっぷして くびがこりそうなたいせいで じゅくすい
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だいがくいん どくたーかていにねんめ
にねんはにねんでも ことしみそじにはいった
あたまのいいせんぱい
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もうくえないよーん
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でも ちょっと あほ
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すきんしっぷが かじょうぎみで ひまなときは こうはいにじゃれつく
かんがえているときは ぽかんとくちをあけている
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せんぱい おきてください
↓
せんぱいのことなら かなりたくさんのことをしってる
あまいものがすきで おさけもすきで
さむいのはきらいだけど ゆきはだいすきで
そして なにより
↓
せんぱーい
あとごふん〜たのむよ ・・・
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なにより あいさいかで こぼんのう
↓
おくさんのなをよばれて むやみに むねがくるしくなる
むくわれないこいごころを じかくしはじめた
あるこうはいの すこしさむいいちにち
□ 56-57 □
【あるしょうねんのいちにち】
ほおでとける ゆきのかんしょくがつめたい。
きっと、ぼくが みにまとうこーとも だいぶしろくなっているのだろう。
ぼくのすむあたりでは、ゆきはめったにふらない。
だからいま ぼくがいるこうえんのように、
うっすらと ぜんたいにしろがまぶされているのは
すうねんにいちどくらいだろう。
あしのさきが じんじんといたい。
そういえばもうどれくらい、このばしょにたっているのだろう。
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きょうはがっこうのせんぱいとあえるさいごのひだった。
のんびりとしたせいかくのぼくは、よくがっこうでしっぱいをしてせんせいにおこられていた。
そのふぉろーをいつもしてくれたのは、ふたつちがいのせんぱいだった。
がっこうにかようためにこのまちにきて、はじめてひとりくらしに、
ふあんをかくせなかったぼくをはげましてくれたのも、
このあたりの ちりがわからなくて、みうごきがとれなかったぼくを
たすけてくれたのもせんぱいだった。
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ぼくがこのきもちにきづいたのはすうじつまえだ。
おとこあいてに れんあいかんじょうなんて、
と はんもんしているあいだに じかんはあっというまにすぎ、
きがつけばきょうになってしまった。
でも、ぼくにとってせんぱいはとてもだいじなひとで、
それだけはどうしようもないしんじつで、
たとえきらわれてもぼくは、せんぱいにたいして うそはつきたくなかった。
だから、ぼくはせんぱいをこのばしょによびだした。
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はしりさったせなかがふとまぶたにうかぶ。
せんぱい、しょっくだっただろうな。
こうかいが にがくうかぶが、でもどうしてもいいたかった。
あなたがだいじなんです。だれよりも。あなたが だいすきなんですと。
どうしようもない えごで、あのひとに ふかいかんをあたえてしまった。
こうかいのねんと ひろうかんが からだをおそう。
なんだかねむたくなってきた。
あしたもがっこうだものな。そろそろかえらないと。
そうおもいながらも、からだはうごかない。
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ゆきはふりつづいている。
いつのまにかしょうねんのはいごにたつ、せのたかいひとかげ。
かれがさしているかさをかたむけて
じぶんをなかにいれてくれているのにきづかない。
そんなしょうねんのごごななじ。
【ある○○のいちにち】in 801 since 2004/5/15