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【もうすぐわかれのときをむかえる、あるこどものいちにち】
さいしょにあなたのてに ふれたときに、
なんておおきなてのひとだろうとおもった。
みなぼくよりも おおきいのだけれども、
なんであらためて そんなことをおもったのだろう?
ぶこつなてをしているのに、せんさいなもじをかくから、
よけいにそうかんじたのかもしれない。
↓
あなたのおしごとをてつだいはじめて
もうずいぶん ながいじかんがけいかした。
まどからふきこむかぜが むしあつさから
ここちよいものにかわり、そしてからだにしみるような
つめたさにかわるまでのあいだ、ずっと。
あなたのてにつつみこまれるたび、
あたたかさにしあわせをかんじたひび。
↓
もうすぐぼくはきえてしまう。
どうか、あなたがつぎのこを だいじにしてあげますように。
しごとばや いえのなかにおきざりにして、
そのままほうちすることがありませんように。
ぼくのように さいごまで、きれいにつかってくれますように。
だいすきなひとのてのなかで さいごのときをすごしながらそうねがう、
あるけしごむのいちにち
【ある○○のいちにち】in 801 since 2004/5/15