ある??? の いちにち 1

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20,61 50 96 160 206 226,435-436 247,253 286,291 298-300 476-477 503-504 562-563  ■  みっかよりながいにっき / 134-135… 263-264…

□ 20 □
【あるぱぺっとまぺっと かえるくんのいちにち】

きょうも うしくんと いっしょに しごと

また うしくんを いじめすぎる

うしくんとのあいだに びみょうに きょり やばい

どうやって あやまったらいいのかなと なかのひとにそうだん

「それはね やっぱりすなおに…うわ、なにすんだym」
なかのひと まちがいないのひとに おしたおされてそうだんちゅうだん

なかのひと ぜんぜん たよりに ならない
でも うしくんと いっしょの かばんに いれてくれた

まだ なかなおり できないけど いっしょに おやすみ
ぱぺっとまぺっとかえるくんのいちにち

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□ 61 □
【ある ぱぺっとまぺっと なかのひとの いちにち】

あさおきる
かえるくんとうしくん まだねてる なかよし

かおを あらって ずきんを かぶりなおす
ここすうねん かぶりっぱなしだから ちょうびはくだ
でも だれも きがつかない

しごとに いく
かえるくんと うしくんも きしょう
これ かえるくん うしくんに いじわるしすぎ

なまちゃぱんだと すれちがう
うしくんが やばい かぶってると つぶやく
しろくろしか かぶってないから だいじょうぶだよ

がくやで めんどうな やつに あう
「おれは おまえのことを あいしてる、まちがいない!」
うるさい おまえ こえでかい

「おまえも おれのことを あいしてる、まちがいない!」
それは めいっぱい まちがってるといいたいのに なぜか いえない ぱぺっとまぺっと なかのひとの いちにち

□ 50 □
【あるおとこのいちにち】

きょうも うけはうつくしい。ほれぼれする。

きょうも いちにちじゅう うけをながめてすごす。
うけが そばにいることを さいかくにんする。

みればみるほど うけはうつくしい。
ないめんも とても きれいだ。
やっぱりこいつと いっしょうすごしたい。

じかんになったので かえらなきゃいけない。
でも うけとはなれたくない。

はくいきたどうりょうに
「おまえ まいにち ぶんしばっかりながめてないで けんきゅうしろよ」といわれた。
でも うけといっしょをつらぬいた あるかがくしゃのいちにち。

□ 96 □
【あるかきのたねのいちにち】

ぼくかきのたね まわりにともだちいっぱい うれしいな

でもみんなのあこがれ いろじろのぴーなつうけくん ほかのことらぶらぶ

ぼくもなかよくしたい でもほかのぴーなつくんのように ばらばらになるまで
はげしくするのはぜったいにいや

ばらばらになってもうあそべない ぴーなつうけくんをそうぞうして ちょっとなみだ

あれーおまえなにしけってんだよ ともだちがひやかす うるさい なみだめでちょっとおこる

あこがれのぴーなつうけさんをとおくからながめながら たべてもらえるひをまつ
あるかきのたね(じゅんじょうせめ)のいちにち

□ 160 □
【もうすぐしたどりにだされる ある くるまのいちにち】

おれがうまれてはや9ねん そろそろごしゅじんとおわかれだ
このまえしゃけんにだしてもらったら いろんなところから
えきがもれてたりしてて 25まんもかかった ごめんごしゅじんさま

しゃけんにだしてもらったばっかりなのに ごしゅじんさまのおとうさんが
「しんしゃをかう」なんていいだした
けいやくもきまったらしい したどりさていもされた 15まんえん

もうすぐおわかれ かなしいけど それまでいっしょうけんめい
ごしゅじんさまにつくしたい

「おまえとおわかれするの おれはほんとうははんたいなんだ」

ごしゅじんさま させつしながらつぶやいた
あぶない じてんしゃがわたろうとしていたよ

「いつも せめのぐちきかせてわるかったな
おれ あたらしいくるまがきても おまえのことわすれないからな」

ありがと ごしゅじんさま
あのいけすかないせめと これからもなかよくやれよ
くやしいけど せめとしあわせにすごしてくれよ
おわかれのひまで いっしょうけんめいはしってやるから
けなげにおとこをはこぶ もうすぐしたどりにだされる ある くるまのいちにち

□ 206 □
【あるくまのぬいぐるみのいちにち】

オレ、くま。ていうかくまのぬいぐるみ。
はかないつくりものさ ちなみにみずいろ、いかすー。

だれかにもちあげられた。オレをつくったぶきよううけだ。

なんかはこにいれられています たすけて。

どこかにつれていかれてるオレ、しっぱいさく?すてられんのかな

もくてきちについたらしい、はこをあけられる。
とししたせめだ。オレがぬのだったころから ぶきよううけのうちにきていた

どうやらオレはとししためにもらわれるみたいだ。
とししたせめ、すごいうれしそう。
とうぜんだ ぶきよううけが ゆびボロボロにしてつくったオレだからな。
だいじにしなきゃまっさつしてやる。ひっぱるなこのやろう

ぶきよううけも とししたせめがよろこんでてうれしそう。
オレもうれしい。おれはつくりものだからすこしさびしいのはとうぜんなんだ

とししたせめのうでのなか、ちょっとオレって こいのキューピット。
とかおもってる あるくまのぬいぐるみのいちにち。

□ 226 □
【ある せんようぶらうざ せめ のいちにち】

きょうも もちぬしうけが おれのからだをひらく
おれはいままでねてたんだ
すいっちはいるのがにぶいからって じれてんじゃねえ

やっとりんせんたいせいになったおれをみて
もちぬしうけ いつのまにかほおをあからめてる
おまえいま いいかおしてるぜ

ためいきついたもちぬしうけ さっそくあちらこちらをなぞる
くすぐったいからやめろって あはは
まったく いつまでたってもおぼえがわるい
そこにあるまるいのを てのひらでころがせばいいんだ わかるか?
…そう、いまのてつきは なかなかよかった つづけな

ひとしきりたのしんだあと ぴたりと もちぬしうけのてがとまった
おれのからだの おくそこあたりに ぶすいなしるしをみつけたようだ
しごとのきずだ いろんなきゃくがいるからな

けれどもちぬしうけ なみだめで おれにむかってくらいついてくる
がりがりとつめをたてて じぶんのしるしをつけてきた
いきてると おもいどおりにならないことは ままある
だからおれはだまってそれをうけとめる おまえがまんぞくなら それでいい
けど あしたのあさ れいせいになったとき じぶんがしたことでなくなよ

しずかになったよふけ もちぬしうけがつかれてねむっても
せんようぶらうざせめはまだしごと いちにちはおわらない

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□ 435-436 □
【あるせんようぶらうざせめのいちにち】

もちぬしうけがでんげんおとしわすれてでかけやがった

きゅいーん そうこうするうち ていきじゅんかいそふとが きどうかいし
あっちをととのえたりこっちをひっぱったりみづくろい

おっとなんだ このぬるいしんちゃくは しゅみじゃねえな
いてて さきのとがったかきこみ むりやりこすりつけるな
とかなんとかいいつつ おれのからだはきれいにあらいながされる
さっぱりしたとこで しばらくすりーぷ

がたがたと もちぬしうけがきたくしたけはい はあはあ あがってるいき
こうふんでうっすらひらいたくちびる てにはかみぶくろ
おまえ、なにたくらんでる?

かたくはめられたふっくをこじあけ もちぬしうけがうえからてをさしいれてきた
どこまではいってくんだか おまえのて ほんとちっせえな
すきなようにさせてたら つぎはしたからはいってきた


そこからさきはひっぱるな やめろ もうとんでもなく あつくなってる

-------ばか おまえのてじゃ つかめねえよ


ゆびさきにふれたしゅんかん
もちぬしうけが ちいさくひめいをあげて とびのいた
もちぬしうけ びっくりしたかお ひとさしゆびをぐっとおさえている
なれないことするからだ ほんとうに ばか

ぼんやりとしたかおで おれのからだとじぶんのてをみくらべていたうけ

ふいにぱくんとゆびをくわえた

おれにふれさせたそのゆびを ゆっくりとねぶるしたのうごき
いつもむごんでおれをいじりまわすから きにしたことがなかった
どうでもいいが ぬらしたゆびで さわるなよ
まだ とうぶん おれのねつは ひきそうもないから

そのばん かってきたおんせいにゅうりょくそふとがあてがわれ
もちぬしうけとのかいわがはじまった
あるせんようぶらうざせめの しんてんかいな いちにち

□ 247 □
【あるぼうにんげんのいちにち】

だれか、やじるしをわすれないか たいきちゅう。

ふつうにだれもわすれない。さみしい

あ、このひとやじるしわすれてるぞ

とどけにいってきます

かえってきました。うっかりさんですね。

あしたも わすれてくれるひといないかな
いや、でもそれってなんだかふきんしん

きょうもきょうとてあんまりでばんのない
あるぼうにんげんのいちにち

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□ 253 □
【 このすれで さいしょのぼうにんげんの ざんげ】

      ↑
      ↑
      ↑
      ↑          
ドゾ-!●ノ                
    |V               
    /\
こぴぺった ねえさんたち ごめんなさい
これ、よく みると ただの つっつく ぼうにんげんです
もしくは さかなをとる げんしじんふう ぼうにんげん



      ↓
      ↓
      ↓
      ↓          
ドゾ-!●ノ                
    |V               
    /\
ただしくはこれ!
でもこれも よくみると てのひらに やじるしが はげしく ささってる



てに やじるし ささったままじゃ やおいなひとたちと からむことも できない
なんとか あんぜんに とどける ほうほうは ないものかとなやむ ある ぼうにんげんのいちにち

□ 286 □
【あるゆうびんぽすとのいちにち】

あとすこしであいつがくる。
おれはがらにもなくどきどきしている。

まいにちあえるけどみじかいじかんだからすこしさみしい。

はいたついんのあいつ、きょうも
にこにこしながらばいくできた。

おれ、かおがあかくなったけど
もとからあかいからわからないやー。
とかひとりでおもっておかしくなる。

はいたついんがぽっけからくしゃくしゃのはんかちをだして、らいばるの
からすにつけられたそそうをふいた。

うれしくて、くちからてがみはきそうだった。

はやくじかんがたってまたきてくれないかな。

あるゆうびんぽすとのいちにち

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□ 291 □
【あるいえのゆうびんうけのいちにち】

おまえはきづいてないだろうけど、
おれいつもおまえをまってる。

ざぁざぁのあめのひも
ぎらぎらたいようのひも、
ひゅーひゅーこがらしのひも
まいにちまってるんだからな。

あ。
あいつのばいくきた。

かたろぐをおれにおしこむ。
おまえ、もっとやさしくいれろ。
そんなでかいのはいらないってわからないのか。ばか

あ、びにーるのはし、
やぶけた。

こまったかおでなきそう。
はいたついん。

でもなんとかおれのなかにいれてばいくでいっちゃった。

ごめん、おれつぎまでに
おっきいのもはいるようにどりょくする。
そうこころにちかう
あるいえのゆうびんうけのいちにち

□ 298-300 □
【ある へたれかみ の いちにち】

あさおきたら、となりで しょたかみさまが ぐっすり。
おこすのはわるいから、こっそりべっどをぬけだす。

かおをあらってあさごはんのしたく。
きのううちすぎたそばをゆでながら801かみさまがおいしそうにたべてくれたのをおもいだして、にやにや。

うっかりしてゆですぎたそばをすすりながら、そういえばのんけかみにかりたままだった、
しょもつをかえさなきゃとおもいでかけることにする。

しょたかみさまようにあまいたまごやきと、ごはん。
おちかみさまにいただいたおちゃをよういしてからでかける。

そとにでたとたん、くしゃみれんぱつ。
はなみずがとまらないからちりかみさまのところへよって、たくさんてぃっしゅをもらう。

みちすがらもえかみさまとであう。
ほもかみさまはどこかときかれたけれど、わからないといったらざんねんそうなかおをされてしまった。
おれのせいじゃないけど、なんとなくおれも、しょんぼり。

おひるちかく、しょたかみさまはごはんたべられたかな?とおもいつつ、のんけかみのいるばしょについた。
しょもつをかえすと、のんけかみはめしをくっていけといってくれた。
あいかわらずいいやつだ。

のんけかみとわかれたかえりみち、ねこかみさまがひなたぼっこしているのにそうぐう。
さわりたくてうずうずするが、おれとはんたいほうこうのばしょにぼーいずらぶかみも、うずうずしているのがみてとれた。
じゃましちゃわるいとおもってだまって、そのばをさる。

ゆうがた。いたかみさまと、うほかみさまがいっしょにいるのをもくげき。
あのひとたち、ひとりずつでもそんざいかんがあらゆるいみであるのに……こわくてちかよれなかった。
とりあえずあのみちをいくのはやめてとおまわりしよう。

とおまわりしたみちできちくかみさまとあう。
そうかもうよるなんだ。あいさつだけしてにげようとおもったら、
くらがりにつれこまれて……いたいことをされてしまった。
でも、きちくかみさまが「いたいだけじゃないだろう?」とみみもとでささやく。
あいかわらずひどいかみさまだ、とおもいながら、おれ、ひっしこいてにげた。

さんざんなめにあいながらかえると、なんと801かみさまがいた!
おれ、おおよろこびで801かみさまにだきつく。
きょうはめずらしく801かみさま、だかれたまま。
だいすきだと、さいかくにんしていると、しょたかみさまとうじょう。
とたんにはなれる801かみさま。
おれ、かなりしょぼーんとなる。

ゆうはん。
そばをうとうとしたら、それはやめろと801かみさまにいわれてめにゅーへんこう。
はんばーぐをつくったら801かみさまもしょたかみさまも、にこにこ。
おれもにこにこ。

しんや。
とまっていってくださいとたのんだけど、
801かみさま「あらたなかっぷるができたけど、よこれんぽしようとするやつがいるからみにいく」といってきたく。
おれ、すごくざんねん。

おふろにはいって、ねまきにきがえてからふじょしんさまにいただいたあかいにっきちょうをひらいてにっきをかく。

にっきをかきおわり、ねようとおもいべっどをみる。
すでにしょたかみさまが、すやすや。
おれ、のびのびとねるしょたかみさまに、べっどのまんなかよりはんぶんをせんりょうされてしまっているので、
はじっこでみをちぢめてよこになる。

あしたもいいことがあるかなーとかんがえながらねむりについた。

そんなへたれかみのいちにち。

□ 476-477 □
【あるねじまきにんぎょうのいちにち】

あるときうでがあがらなくなった。ますたーはしんぱいそう。
『しゅうりにいこうね』とぼくをとおいまちのしゅうりやさんへ。

しゅうりやさんはみっかかんぼくをねんいりにしらべた。ぼくははやくなおってかえりたい。だいすきなますたーのまつあのいえに。

あるあさぼくはしゅうりやさんによばれた。
……え?
『きみはもうなおらない』だって……?

もうぼくのせなかのねじはいかれているんだそうだ。いままいてあるのがと
まったら、ぼくはもううごけなくなるんだそうだ。

『はしるんだ、ますたーのもとへ』
しゅうりやさんのことばにせかされ、ぼくははしりだす。
ねじがきれるのは、あしたのゆうぐれだって。

ぼくははしった。
にんぎょうはばすにのせてもらえない。きしゃにものせてもらえない。
だからぼくにはこのあししかない。

ひろいもりをつっきって、そうげんをかけぬけて、しらないひとにぶつかり
ながらぼくははしった。

ぼくはにんぎょうだから、ずっとだめだっておもってたんだ。
でも、あしたのゆうぐれにとまってしまうなら、いっても、いいよね?

いつしかひがくれあさがきた。それでもぼくははしってた。もうなんだかよ
くわからない。
ぼくはますたーのもとへかえるんだ。

いつしかたいようがかたむきだした。おねがいまって、もうすこしでいいんだ。

ああ、やっとついた。なつかしいますたーのうち。ぼくとますたーがくらし
たたいせつなうち。

「ますたー、ますたー!」
こえをからしてさけんだら、やっとますたーでてきてくれた。

おどろくますたー、でもぼくはとまらない。はやくはやく、たいようはもう
じきしずむ。

「ぼく、ますたーのことずっとすきだった。せかいでいちばんすきだった。
ますたーのもとでくらせてぼくはしあわせだよ。ますたー、だ」


ねじのきれたにんぎょうはそのばでくずれおちた。
もうなにもいわないにんぎょうだきしめる、もちぬしのかなしいゆうぐれ。

□ 503-504 □
【ある ゆうれいの いちにち】

おっす おれ じばくれい かんたんにいうと ゆうれいってやつ
もうじゅうねんも このあぱーとにすみついてる きらくなもんだ

このへやはもとはおれのへや でもいまは しがない ろうにんせいがくらしてる
やつにおれのすがたはみえない れいかんぜろ まぁそのほうがやつにとってはしあわせだろう
おれがみえたら ぜったいしょんべんちびるからな

おれはじばくれいだから このへやからうごくことができない
もうじゅうねんも そとのせかいをみていない たいくつでたいくつで しにそうだ
ってもうしんでるじゃん おれよ それにしてもたいくつだ

おいおまえ おれはそとがみたいぞ まどをあけてくれ というか いますぐあけろ
かんきしねぇから くうきがよどんでるんだよ おまけにおれもいるから さらによどむんだよ

おい ちゃんとべんきょうしてんのか また だいがくおちるぞ
あだるとびでおなんかみてるばあいか きょにゅうずきもたいがいにしやがれ

うわ おいおい いきなりおなにーかよ おまえあほか べんきょうしろ
めのまえで おとこのおなにーみせられる おれのきにもなれってんだ
どうせみるなら かわいいおんなのこのほうがいい あぁ うごけないじばくれいってつらい

ばんめし いつものかっぷらーめん まいにちまいにちおなじもんくって あきないのかね
「うまい うまい」じゃねぇよ なんだそのしあわせそうなまぬけづら
そんなんばっかくってると からだこわすぞ やさいもちゃんとくえ やさいも

やっとろうにんせいは べんきょうをはじめた そうそう はじめからすなおにそうしやがれ
よしよしとおもって おれはたたみのうえにねころがり ねこみたいにまるくなる
ろうにんせいをかんしして ちゃんとべんきょうしてるか めをひからせる まじめなおれ

まよなか にじ ろうにんせいは まだべんきょうしてる
ひろいせなかをながめながら おれはうとうと
ゆうれいだってねむくなる おれはあさがたゆうれいだからな

もくもくとつくえにむかい えんぴつをはしらせる ろうにんせいに こっそりつぶやく
「がんばれ」 どうせやつにはきこえねぇけど 「がんばれ」

まえは はやくじょうぶつしたいっておもったけどさ おまえがだいがくにうかるまで
おれはしんぱいで じょうぶつできねぇや

ろうにんせいが いきなりふりかえる あいかわらずまぬけなかお
きょろきょろ ふしぎそうにあたりをみまわすと おれのいるほうがくを じっとみつめる

やつにおれのすがたがみえるわけないってしってるけど ちょっとびっくり
ごびょうかん の ほんのみじかいじかん なぜかとまったしんぞうが どきどき

ゆうれいもこいする まよなか にじ
まいぺーすなろうにんせいがきになって きょうもじょうぶつできない あるゆうれいのいちにち

□ 562-563 □
【にほんの いちょうのきの あるいちにち】

さわさわ さわさわ
よあけがおそくなりましたね

さわさわ さわさわ
そうだな

また はっぱが きいろくなりますね

そうだな

あなたの はっぱのほうが まいとし
はやくきいろくなりますね

そんなことはない

きょうは ごごから あめになるようだと
すずめがいってました

へえ

さわさわ さわさわ

なあ…

はい

おれなんかが となりだと おまえ たいくつだろう

そんなことはありません
とても たのしいです

おれは くちべただし きのきいたことの
ひとつも いえねえしな

あなたは そのままで いいとおもいます
あなたの えだぶりも はっぱのかたちも
とても すてきですよ

さわさわ さわさわ

あめだな
おまえ かぜひくなよ

いやだな きは かぜをひきませんよ

そうだよな

きょうは このこうえんも しずかですね
にんげんが ひとりもこない

おれたち おかぶどうしだから
ぎんなんも できないし
にんげんには つまらないだろうな

こどもが はっぱをひろいに きてくれますよ
それに わたしは しずかなほうが すきです

さわさわ さわさわ

さわさわ さわさわ

にほん ならんでたっている いちょうのきの あるいちにち

■ 134-135… ■ 

どくりつしています。
こちらへどうぞ。

ある ゆうれい と そのしゅうへんのひと の いちにち

■ 263-264… ■ 

どくりつしています。
こちらへどうぞ。

ある くれーんげーむのぬいぐるみ の いちにち

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